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魔王継承  作者: FIIFII
第二章 日常とはかけ離れた日常を
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十八話 死者

「トーカー。本当にこの女性が魔王だったと?」

「はい、2代目魔王のマイン様ですが……既にその命は天上へと昇って行ったはず。なぜ生きているのか」

「その疑問にお答えしましょう。この世界はその天上の世界だからなのです!」


 マインはこう説明した。

 ここは誰もが死後に訪れる、死後の世界であると。


「この世界には、死んだ人間とここで生まれた人間が混在しているの。まあこの世界で死んだらどうなるかは知らないけどね」

「興味深い話だ。是非聞かせてもらおう」

「それは食事をしながらでもいいですね。では食べましょう」


 相当に腹が空いていたのか、ゆっくりと食べているように見えてみるみる大皿の料理が消えていく。

 マインさんがスプーンを動かせば皿の半分は消えさる。

 かなりの大食漢と見たが、その身は細い。

 元魔王というからには、人間だった頃もあるのだろうか?

 聞かない事にはわからんな。


「これ、美味しいですね」

「そんなこと言われたのは初めてだわ。ありがとう」


 微笑むマインさんをよく見てみる。

 肩にかかる金髪、透き通るような白い肌。そして美形。

 男性を魅了する要素が多分に含まれているな。

 人間の頃の俺だったら一目で落ちていたかもしれんな。

 今はなぜか子供の体で、その理由はハッキリしていない。知識の泉でも不明だ。

 後で質問させてもらおう。



「これは……」

「何か?」


 デス・トーカーが驚いている。


「あの時私に作ってくださった料理と似ていますね」


 その料理は、白い。

 料理と言えるのかはわからないが、とにかく白い。


「それは豆腐ですよ。あの時ということは、アイスですか? 全然違いますよ」

「見た目が似ていたので……」

「それはそこの醤油をかけて食べてください」

「はい」

「掛けすぎると体に悪いですよ」

「そうなのですか」


 マインさんのこの甲斐甲斐しい世話のやきっぷりは、母親のようだなと感じた。

 懐かしい顔と出会えて、嬉しいのかもしれない。




 食後。

 俺たちは食器を片す手伝いをした後、茶を飲んで一息ついた。


「それでは、話を始めましょうか」




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