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魔王継承  作者: FIIFII
第一章 召喚師、魔王を継ぐ
11/31

十一話 まおうは しあわせを てにいれた

 歓迎会は何事もなく終了した。

 ビンゴ大会でシスイがイカサマをしていたり、あの子供が幽霊だったりと色々あったが……何事もなかった。

 あれから10時間が経過した。

 今は誰もが寝ている。

 俺以外は。



--------



 食堂で全員が寝転がり、辺りにはぶちまけられたワインや料理が散らばっている。

 そんな中で魔王は一人、パジャマ姿のまま奇跡的に残っていた料理を食べていた。

 魔人の体は、過剰に栄養を摂取しても問題ないのだ。


「部屋……戻るか」


 粗方片付いたところで、部屋に帰ろうとする魔王。

 だがそこに大きな問題が。


「こいつら邪魔だな」


 倒れている魔人男衆を退けようとするが、非力な子供の体では動かない。

 困った魔王は魔術で食堂の入口までの道を開けようとした。

 脳が飽和状態の魔王は、雷を降らせたり爆発を起こしたりと大問題を起こす。

 そのせいで数人が三日間起きなくなったのは仕方ない。


 そうして食堂から廊下に移動した魔王。

 そこに襲い掛かる闇。

 完全に真っ暗だった。

 何も見えないが、ここも魔術で解決する。

 魔術は便利だと改めて魔王は思うが、使った魔術は『蛍の尻』。

 自らの尻を極限まで光らせる、ある虫が使う魔術だった。

 滑稽すぎるその姿は、シスイやデス・トーカーが見たら笑いを堪えきれずに爆笑して魔王に折檻されるだろう。


 そうして廊下から階段へと移動した魔王。

 そこでなぜか階段が、異音をたてながら自動で上がったり下がったりを繰り返す。

 面倒なので階段を魔術で壊し、宙に浮いて自室まで到達する。


 これらで使用した時間は約1分。

 食堂から魔王の部屋へのタイムアタック記録更新であった。



--------



 部屋に戻った俺は、何も考えられない頭でふらふらしていた。

 脳みその中に何も入っていないような気持ちだ。

 浮いているというか、何も考えられない。


「あ~…………」


 こんな声をどれだけ出せるかなどを検証したあと、ベッドにダイブする。

 そうして目を閉じると、心地が良い。

 そのまま俺は眠った。

 疲れていたとか、睡魔に負けたとかそういうのじゃない。

 言葉に表すのは難しいけど、一つだけ言葉にできる。

 俺は今、結構幸せな気持ちだ。

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