表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/5

先輩仕事っすよ

主人公は無意味にTSしています。

ええ、私の趣味です。

世界観はかなーりアバウトです。

こまけえこた気にしない。

「暇ですわ~」


テーブルに頬杖をついてあくびをひとつ。

この世界に来てしばらくたつけれど、ほとんどこんな調子。

手元では冷めたコーヒーの入ったカップを揺らしている。

こんな暇な部署にはたして自分がいる意味はあるのか?最近の考え事はその一点に集約される。


「先輩ー!女の子がヒマしてるっすよ~、なんか面白いことしてくださいよ~」


部屋の奥でごそごそやっている男に声をかける。

ホレホレかわいい女の子が声かけてやってるのだ。

気の聞いた一言くらいいってみろい。


「やかましい!お前のような女がいるか!女の子ってのは…もっとこう…おしとやかなものなんだよ!」


何がおしとやかだ。

もとはといえば、アンタが女の子の助手がほしいとかいったせいではないか。

望み通りのカワイイ女の子だと言うのに、何が不満なのやら。

まあ、その中身を知れば納得の反応ではあるか。

何せ私はもとはといえば男なのだから。


私はいわゆる転生者である。

本来なら別世界で新たな人生を…となるはずだったのだが、色々と適合していたらしく世界の管理者側として新たな生を与えられた。

その色々と言うのが前世での経験であったので、その辺は引き継がれていた。

その経験と言うのは主にゲームなんかの記憶である。

ゲームばっかりしてきた人生であったが、そんなものでも役に立つとはなぁ。

しかしここで問題があった。

ゲーム関連の世界はどうにも男が多いらしく、女性は少ないらしいのだ。

そこである管理者が訴えたそうだ、「カワイイ女の子の助手が欲しい」と。

そのある管理者と言うのが先輩なのだけれど。

で、そのバカの発言のせいで私は男の記憶を引き継いで女性として転生してしまったのだ。

私がはじめて先輩に挨拶にいったときの先輩の反応はひどいもので、


「なんで俺のところに!」「見た目は良い!だが男なんだろ!」「カワイイのに!中身が野郎でさえなければ!」


思い返してもひどい言われようである。

この先輩はどうやら女の子に過剰な幻想を抱いているようであり、もはやその症状は手遅れの領域に達している。

まあ、変に劣情を持たれない分私はやりやすいですので気にしていませんけれど。


あっと、先輩だの管理だのと説明不足でしたね。

私が転生したのは、世界の管理者側。ってのは言いましたね。

んで、転生すると別の世界にいくらしいのですが、転生先の世界には小説やゲームなんかの空想の世界も候補として上がるそうです。

よく創作で、転生したら異世界でした~とか言うのありますよね。そう、それです。その異世界の管理です。

なんでも、それらの異世界は転生者が生まれることでスイッチが入るらしくて、スイッチが入らないとなんにも起こらない箱庭のままなんだそうです。

プレイヤーもとい、転生者がいないと物語が回らないという寸法です。

なので、転生者が来るまでの間、世界のノンプレイヤーキャラ達は暇しているらしいです。楽屋裏?



そこで私の仕事なのですが…

異世界にいつ転生者が来ても良いように、舞台を整えておくことです。まあ、掃除です。

宝箱にいつまでも剣を入れてたら錆びますしね。

冒険してみたい世界作り。それが我々管理者の仕事なのです!


と、まあ先輩から業務内容を聞いたときは忙しそうだな~と思いましたが、全然そんなことないのは冒頭の私の発言でお分かりですね。

どうやら最近の流行りはVRMMO世界らしく、近頃グングン数を増やし、とうとうそれ専門の部署ができてしまったそうです。

で、私の管理するのはそれ以外のゲーム世界。

ぶっちゃけ斜陽です。夕日がまぶし~。


はあ、暇だわ。


すると、ジリリリと電話のベルがなった。

古めかしい黒電話。仕事があるときはこの電話にかかってくるのだ。

来た!仕事来た!小躍りしたい気持ちを押さえ受話器をとる。


「ハイ!ゲーム世界管理人です」

「あ、もしもしフーちゃん?そっちの世界に転生者が来るから準備よろしくね~」

「オッス了解っす!」


ビシッと敬礼のポーズをとる。受話器越しには伝わらないけれど、気分の問題。


「おーヤル気満々だね~。ま、あんまり無理はしないこったよ~」

「ん~分かってる。ありがとね~」


はいよ~と小さく聞こえた受話器を耳から離し、ガチンとおろす。

久々の仕事に小さくガッツポーズをとる。


「先輩仕事っすよ」

「聞いてたよ…あ~っとお…?」


生返事を返した先輩はホログラフを弄っている。

転生者がやって来る世界の情報を検索しているのだろう。空中に浮かんでくる文字をにらみつけている。


「あったぞ…なんたらクエストの世界みたいだな」

「へぇ、珍しく王道っすね。ロールはなんです?」

「無名の剣豪…らしい。いきなりステ高いなコイツ…」

「いーじゃないすかチート。男のロマンはよくわかるっす」

「じゃあなんか妖刀的なの見繕っとくか、おしゃべり機能付きの」

「なんで喋り機能…?面白いっすけど…。あ、世界の方に連絡入れときますね」


おう、と短く返事をすると先輩は奥の部屋に入っていった。たぶん妖刀を作るんだろう。

私はゲームの始まりを世界の住人に連絡する。

といっても、全員に言うときりがないので主要なキャラのみである。

えーっと、勇者様に王様、あと魔王様でいいか。

ダイヤルを回さず黒電話の受話器をとり、話しかける。

まずは勇者様っと。


「もしもーし、久々のお仕事ですよ~」

「おう、フーちゃんか!久しぶりだな。連絡来たってことは今度の奴、転生先は勇者じゃないのか」

「ですねー。名無しの剣豪らしいですよ。勇者様は普通に魔王様目指して旅してくれればオッケーです」

「了解!腕がなるぜ」


熱血イケメンヒーローは今日も爽やかだね。

さて次は王様…


「もしもーし、王様ー?仕事だよ~」

「む!ようやく余の出番か!ハーハッハ!腕がなるわい」

「ほどほどで頼みますよ~」

「わかっておるわい!ハーハッハ!」


王様なのに一番の肉体派なんだよなぁ、この人。

で魔王様…と


「魔王さまー仕事でーすー」

「それよりこないだの魔剣使ったらあかんの?」

「隠し武器ですし、あと世界半分吹っ飛びますからやめてください」

「カァーまた素手かいな…」


魔王様は素手くらいのハンデがないとクソゲーになるから…

よし、連絡完了。


そういえば、転生者さんいつ頃やって来るんだろ。

あの世界使うの久々だからけっこうガタが来てるとこあるんだよな…早めに修理しとかないと。


支度をしていると、また電話がかかってきた。


「ハイこちらゲーム世界管理人」

「あ、フーちゃん何度もごめんねー。さっき言い忘れたことがあってさー」

「転生者さんのこと?」

「そーそー、来る時間言ってなかったよね。来るの明日なのよ」

「早っ!?もっと早めに言ってよ!」

「ゴメーン。今度おごるから!」


ブチ


あ、切れた。

情報が遅いのはいつものことだが、しかし明日とは。


「先輩、転生者さん明日来るみたいっすよ」

「明日ぁ!?中央何やってんだ!」

「こんな場末じゃしゃーないっすよ。妖刀は間に合いそうですか」

「無理に決まってるだろーが…ったく。取り敢えずお前は現地入りしとけ、ナナシノゴンベエの先回りして逐一修理だ。妖刀は出来次第ポータルで送る」

「うぃ、じゃあいってきます」


冷めたコーヒーを飲み干し、部屋の外に出る扉を開ける。この扉はいわゆるどこでもドアで、いろんな部署に直通になっている。

今回来たのは世界移動用の転送装置のある部屋。

ふわふわ浮かぶ青い球体がゲートになっているそうで、脇に設置されたコンソールに、行き先を入力すると青い球体に景色が映る。

世界が繋がったことを確認してから、球体に体を突っ込みます。

少しばかりの浮遊感が体を包み、しばらくしてから目を開けると鬱蒼とした森のなかに転移していました。


「人里離れた森で目が覚めるパターンですか…」


つくづく王道な転生者さんのようです。

明日までにこの辺りを整えておきますか…

目が覚めるのは…この木の下ですね。



取り敢えず手頃な長さの棒切れを置いときましょうか。



フーちゃんキャラぶれてる!ぶれてる!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ