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プロローグ 未知なる者

グガァァァッ!!

船内に響く爆音と衝撃――

「なんだ!?どうなっている!?」

『スカイブルー』の船長代理レウスは思わず叫んでいた。

何時もどおりの哨戒を終え『スカイブルー』は帰路へとついていた。

その途中、発見された一隻の正体不明艦――難破船かとも思ったが救難信号もでておらず通信を入れても応答が無いため

軍本部に報告しようと連絡を入れようとしていた時の事だった、

「ア、アンノウンからの砲撃かと思われます!」

悲鳴に近い声でオペレーターが叫ぶ、

「馬鹿な!射程距離外だぞ!?」

ありえない事だった相手がテロ組織などだった場合を考え射程距離外に待機していた―――はずだった。

しかし、今しがた正体不明の艦はその常識を打ち破り射程外にいるはずの『ブルースカイ』へと砲撃をしてきたのだ。

「うろたえるな!確かにアンノウンからの砲撃は届く様だがこの距離なら十分に回避は間に合う!」

怒鳴るようなレウスの声がブリッジに響いた。

その声と共にブリッジのどよめきが鎮まる、

「とりあえず、本体との連絡を取り応援を要請しろ!」

「り、了解。」

乗組員の不安を弾くかの様に叫ぶレウス、

……………………

「ジャミングが発生している様です、通信不能!」

「くっ……!」

「艦長ここは撤退をした方が……」

「艦長代理だ!それにジャミングされていると言う事はこちらを逃がしてくれるつもりは無いという事だ、さっきの砲撃からしても相手の艦の能力はこちらより上―――ならば速度でもこちらが不利な可能性が高い

追いつかれるのがオチだ、撤退はありえん!」

レウスはあえて『撃沈』という言葉は使わず『不利』という言葉に置き換えた。

『撃沈』と言う表現はあまりにもマイナス的なイメージが強く士気に関わると判断したからだ、レウス自身はリーダー役を嫌っているがその気持ちとは裏腹にリーダー向きだったりした、

艦長代理をしているのも『ブルースカイ』の艦長が先週急死した為であり、それが知り合いの父親などでなければレウスは受ける気など毛頭なかった。

「で、ではどう対処すれば……」

「前進しろ!こちらの射程範囲内に持ち込む!」

「了解!」

オペレーターの声と共に『ブルースカイ』が加速する。

加速を始めた『ブルースカイ』に向けて正体不明艦は砲撃を浴びせはじめる、しかし距離がある為『ブルースカイ』はその砲撃をことごとくかわす。

「射程内に入りました!」

「よし!主砲二番、三番撃てっ!」

ゴウゥン!ゴウゥンッ!!

レウスの指示と共に『ブルースカイ』の主砲が放たれる、

「目標、回避!アンノウン艦砲撃を続行中!」

――妙だな…敵の動きが単調すぎる――

レウスが違和感を感じ取るが答えを出すより早く―――

グガァァァッ!!

敵艦の砲撃が『ブルースカイ』に命中した。

「何処をやられた!?」

「右舷、Bブロックです!」

――やはり、そう簡単にはいかんか……

「先ほどと同じく二番三番発射、その一秒後に一番四番発射!」

レウスの指示と共に再び主砲が唸る、

再び放たれた砲撃は一度目は避けられ、二度目はバリアを展開させ防がれる。

「アンノウン、ダメージ評価ゼロです!」

兵士の悲痛な叫びの報告がレウスの耳に届く、

――どうすればいい、一体なんなのだアレは!?――

レウスが考えをめぐらせているその時、驚くべき報告が耳に届く、

「敵、レーダーからロスト(消失)しました!」

「なにっ?離脱したの間違いでは無いのか!?」

「いえ、ロストです…ですが……」

「なんだ?言わねば分からん!」

レウスは怒鳴り兵士に報告を促す。

「アンノウンからの通信です、読み上げます……」

『我、再び現れるとき、その時こそ終焉の宴始まる時』

……………………

ブリッジにはどよめきだけが渦巻いていた――


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