表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『北海領域/中2の旅行記』  作者: 物書狸。
第0章 設定資料集

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/14

11.地理構造 ― 北海領域の地形と四県の位置関係

北海領域の地理構造は、現実の北海道に類似しながらも、

いくつかの決定的な相違点によって“別世界”として成立している。

地形そのものが軍政・文化・気候と密接に結びついており、

住民の生活圏の分断も地理的条件によって強く規定されている。



● 1. 石狩県(西部海岸域:主要生活圏)


石狩県は、北海領域でもっとも人口密度の高い地域であり、

君が1年間生活した“石狩の集落”が位置する。

現実の札幌を思わせる位置に相当するが、

手稲山が存在せず、代わりに“低い丘と途切れた森”が西側に広がる。


中心部西側には さっぴぃりか(sappirika) と呼ばれる集落がある。

豊平川に相当する大河の北西岸に近接し、

昼間には「轟音が響く」ほどの強い流れを持つ。

水面は季節や天候により

茶(濁流)/白(反射)/青緑(鉱物成分) の三段階に変化し、

土壁の建物に反射して“青白い景観”を形成する。


石造りの“赤いメイン通り”は軍政区画に続くルートであり、

一般住民・子どもは立ち入り禁止とされていた。

この通りの存在そのものが、石狩県が

軍政の影響を強く受けつつも、生活文化が混在する 地域であることを示している。



● 2. 上川県(中央高地・海水湖域)


上川県は北海領域の中心に位置し、

大きな海水湖が地形の核となっている。

湖は外洋との地下水路でつながっていると考えられ、

地震や風の現象と深く関係している。


湖を囲む集落は“神様の土地カムィグゥワ”と呼ばれ、

独自の部族語が保持されている。

高台と谷が複雑に入り組み、

風が通り抜ける時には“歩行困難な暴風”となる。

風による地形浸食は年ごとに進行しており、

川の合流点に形成される砂州さす

季節によって位置を変えることが確認されている。


上川県の地形は、石狩県とは逆に“開放的かつ脆い”。

昼は穏やかだが、夜は冷え込みが強く、

湖面が“薄く光る”現象が複数回観測されている。



● 3. 根室県(東部:軍専用域)


根室県は、北海領域の東端に位置する軍専用の地域である。

現実の根室に相当する地形だが、

海岸線の形状が直線的で、

“陸から海へ風が吹き下ろす”のが特徴。


一般住民は存在せず、ほぼ全員が軍属。

地形的には平野と海岸の境界が近く、

強風により海霧(ガスに近い白煙)が内陸へ入り込みやすい。


川は少なく、水の多くは地下水から供給される。

周囲の丘陵は低く、視界が開けているため、

軍の視察・行軍には適しているが、

住居には適さない“硬い土地”である。



● 4. 松前県(南西部:静寂と交渉の地)


松前県は南西の端に位置し、

現実の松前よりさらに人が少ない。

地形は細長い岬状で、

海は近いが潮の匂いは薄い。

これは沿岸流の違いによるものと考えられ、

“静寂の地”として住民に認識されている。


江戸文化に近い建造物と古語的発音が残り、

他県との“交渉の場”として機能している。

弘前県に相当する地域から来る

“ちょんまげ文化”の人々がここに出入りしている記録がある。



● 5. 北側の禁域(森の守り)


北海領域の北側には、

“グギャァ(仮称)”と呼ばれる、

古くからの民が住む禁域がある。

現実では旭川~上川町付近に相当するが、

ここには人が立ち入らない。


理由は地形的危険性ではなく、

“文化的禁止”の側面が強い。

森は異様に密度が高く、

風も届かないため音が吸収される。

住民はこの地域を

「昔からの人が住む」「入ってはいけない」と表現する。



● 6. 地形と軍政・文化の相関


四県の配置と自然条件は、

軍政の境界線と完全に一致している。

•石狩 → 生活と軍政の混在

•上川 → 祈りと風の文化

•根室 → 軍の単独支配

•松前 → 交渉の地

•北側の禁域 → 文化的結界


これらは偶然ではなく、

地形そのものが生活圏を分断し、

文化・政治・軍事が自然に形成されていく構造を持つ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ