昔のあの子 - side 荻道麻友
(読み方:おぎみち まゆう)
週明けの学校。私は登校時間に見覚えのある姿を見た。
――水野夜子。
それが彼女の名前だった。
私は隣のクラスだけど、彼女の姿は中学のときと大きく変わってしまったように思う。
もちろん、彼女は以前も女王だった。
だけど、高圧的な女王ではなく、どちらかというと女神に近かったと思う。
彼女は本を読むのがとても好きで、リーダーシップもあって、クラスの中心だった。
私も本を読む人だったので、よく話も合ったし、和解できるタイプの女王だった。
当時はクラスも賑やかで、学年の先生からは『奇跡のクラス』とも言われた。
行事も仲の良さを発揮して、ほとんどが優勝だった。ものすごく楽しかった。
でも、卒業の少し前、私は女王の秘密を知った。
あの時の言葉を今でも私は忘れない。
「私ね、やりたくてこんなキャラやってるんじゃない。本当は優しくて可愛い理想の女の子でいたかった。でも、この生活も、案外楽しかった。私は...理想の女王でいられたかな、?」
そして、私は初めて彼女の涙を見た。
「無理しなくて良いんだよ。一緒に高校デビューしよう?私も夜子についていくから。」
「...ありがとう。ずっと欲しかったの、心の底からの友達が。本当にありがとう。」
「うん、いいんだよ、たくさん頼って。来年から、新しい麻友をよろしくね。」
「うん!」
――あの時、彼女の本当の姿を見た。彼女の本音を知った。
いま、彼女の姿を見て思った。
きっといまも、無理してるんだなって。
でも、私は声をかけられなかった。
彼女から感じた冷たい視線に、SOSが含まれているのを分かっていながら。
私、最低だ。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
ここからどんどん女王を掘り下げますよ〜笑
連載って、やっぱポイントつかないなあ、と悩み中。
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