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表札

作者: 武田道子

表札




いつから人は

表札から名前を消してしまったのか

名前のない家が

不気味に静かに

佇んでいる



高い塀が巡らされている家

西洋風の鉄の洒落た塀

木々を剪定してぐるりと家の周り囲んだ家

そばを通り過ぎると

冷ややかに済ました目が

じっと足跡を追う



家が名前をなくした日

人は他人行儀に

目を伏せて

何か恥ずかしいことでもしたかのように

そそくさと歩き去る



表札のナンバーは

服役囚のように

固く押し黙り

冷たく通る人々に

視線を這わせる



寂しくなった住宅街

ひっそりと静かに

アイデンティティを失くした家の中から

上手じゃないピアノの音が

こぼれ出てくる


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― 新着の感想 ―
[一言]  いま、表札ないんですか???  郵便配達屋さんが困りそう。  郵便受けには、名前あるのかな。
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