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幻想奇譚

紅梅詣

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

幻想奇譚です。

春一番と似た構成の続編といった立ち位置です。

構成が似てるので(あれ、でも他も同じ気が)、二番煎じと思われるかも知れません。

とある日の事です。私はふらりと下町の坂を下っておりました。そこで見た、たった一文字。その文字を見た途端、何だか無性にあの方にお会いしたくなりました。えぇ、つい最近、蕾を見たばかりなのに。

私は神社の境内にお邪魔しております。一週間前までは親指大の蕾がぽこぽこ連なるだけの垂れでした。しかし遂に花開き、満開の春を知らせておいでです。白無垢の様な真っ白な花弁が境内を彩って、花道を作り出しております。

時折強く鼻腔を擽るのは、強烈な香り。甘酒を地面にそっと降らせた様に、強く、強く。甘く、甘く。脳を焼いてしまいそうな程に。それに惑わされながら、ふらりと私は長椅子に腰掛けました。

時折遠くから優しい鈴の音。此処に咲き誇った花々が、ぽとりと花弁を落とす様に、耳に届くのです。あぁ、きっとこの花が落ちたら同じ様に、愛らしい音を立てるのでしょう。

「遂に咲いたねぇ。いやはや、とても嬉しい。香りも良い。良い一日だ」

目と、鼻を梅花に惑わされながら、薄ぼんやりとしていると、此処主様のお声が聞こえて来ました。彼は切れ長の目を殊更細めて、上機嫌で花見を楽しんでおります。

「一週間ぶり、ですね。梅香の君」

私が酔ったままに声を掛けると、彼もまた、ふわふわと梅花を落としながら、頭を撫でて下さいます。日差しの心地良さと言い、触れ方と言い、そのまま眠るには余りにも過ぎる。でも、何とか目を開きながら、私は口を開きました。

「此処に来る前に、とある文字を見たのですよ。『紅梅』と」

そう言えば本日、目を飾ったのは白梅ばかり。紅梅は蕾を拝見したばかりで、まだお目に掛かってはおりません。きっと反対側では同じ様に、咲き誇っておいででしょう。きっと同じくらい、美しい……でしょう。

梅香の君は絶えず私の髪を撫でながら、囁く様に仰います。

「私を慕ってくれる精霊と同じ名前だよ。縁があるね、君は。所で帰りは何方から?」

私は些か急な坂のある方を指さします。以前は……白梅の蕾を沢山纏っておりました。だから今回も、甘い匂いに惑わされながら下ると致しましょう。

「このままでは眠ってしまいそうです。えぇ、だから此処でお別れです。梅の花、大変美しかった。そして、このままずっと眠ってしまいたかった」

彼はその言葉に笑顔で頷いて、手を振ります。立ち上がった私を見送るように。紅梅の蕾を見たのは、帰り道とは反対側。見る事は叶わないでしょう。でも白梅もとても美しかった。だから良いのです。それで。

心地良さと眠気に惑わされながら、何とか坂の元の鳥居に差し掛かった時です。目の覚める光景が一つ。しっとりと陰りの差した坂の真横。白梅に混ざる様にして、紅の木が一本だけ立っておりました。

――目、覚めたかい?

――えぇ、大変美しい。

以下、ヲタク用語の嵐です。


本当は前の春一番で終わりなはずだったんですよ。

坂下っている時に、あの一文字見せられたら行くしかないでしょうと。推しの概念が……。

あざとい〜!! 好き〜!! でも行かない予定……。という葛藤。

口を魚座のマークにして、ダッシュで逃げました。

(こんなんだから変人と言われるのかも知れません)

まぁ、梅香の君のモデルとなった方に、脳みそ焼かれている人間なんで、本日二度目の登場です。

(やっぱり変人なのかも知れない)


タイトルは『こうばいけい』と読みます。

タグの『推しの概念』とは、『紅梅』のこと。

渡も定期的に会うほど、梅香の君は推しだと思います。

俗に言うと、アイドルの握手会に並ぶ感じ。


何か違う? いいえ、推しに会うという意味では違わないでしょう。

そもそも、ファンの語源とは「狂信者」という意味の「ファナティック」から。

つまり狂信者もファンも元を辿れば同じ!!

という暴論。


精霊、紅梅の設定もほんのり出来てます。

綺麗だけど、ガッツがある子。

距離がある? 遠い? だから何です? それぐらいで私が下がるとは思わない事ですね。

見たいな子です。

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