#7 魔法のポケット
森につくと俺はジェスチャーでネロに木を切ってもらえるように頼む。今度は上手く伝わったようでネロの前に魔法陣が展開され木に風の刃が直撃した。しかし風の刃は奥行き5センチほど傷をつけて消滅してしまった。
やってもらって悪いけどこの木を切り倒しても加工できねぇな。
「ネロ今度はあの太い枝にやってみてくれる?」
そう頼むとネロはもう一度風の刃を放ち今度は切断することができた。
枝は槍に使っている棒より一回り太く丈夫そうな印象を受ける.
これなら結構丈夫な道具作れそうだな。最初に作るものと言ったらツルハシ、オノ、シャベルとかあるけどどうやって作るんだ?木で作った箱の上でこねくり回してもまともな道具作れるとは思えないしつるはしなんてどうすんだ。木で石を採掘できるとは思えない。
「よくよく考えるとス〇ィーブってすげぇな」
まぁ蔓とこの枝、あとは手ごろな石使えばなにかは作れるか。
俺はあと数本ネロに枝を切断してもらい洞窟?いや洞穴って言った方がいいか。仮拠点に持ち帰った。
さてこれを使って何を作るかな。
俺は棒を手に取り何を作るか試行する。
まずは木の皮をはがしたいんだけどどうしよ。爪ねじ込んではがせないだろうし破傷風になりたくない。
「分離ってこれにも使えるのかな」
俺は思いついたことを実行する。
木の枝は光に包まれ木の皮となめらかな棒になった。
はぇ~便利こんなこともできるのか。次作るのはとりあえず斧だな。いや斧か?斧なんて作っても木を伐採できるものを作り出せる気がしないしツルハシ作ってみるか多少なりとも石を掘れるなら嬉しいしね。
俺は大き目な石を棒に蔓を用いて括り付ける。
『習熟度が一定に達したためスキル【工作:道具】を獲得しました』
その声が聞こえると木の棒に石ががっちりと固定された。
コレツルハシというよりも...なんだこれ。
俺は石が括り付けられた棒を持つととりあえず石の壁にたたきつけた。何度かたたきつけるとこぶし大の石の塊として壁の一部が取れたが石がついた棒も柄の部分が折れて壊れてしまった。
ツルハシ作るのって無理じゃね?そりゃ石を石にたたきつけてんだからまともに採掘できないし、石と棒と蔓で得られたものが石ってさバカじゃない?損してんだけど。
俺はそんなことを考えながらも初めて自分が採掘?で手に入れた戦利品を拾い上げた。
『習熟度が一定に達したためスキル【収集】を獲得しました』
声が聞こえた瞬間に手に持った石が消えた!
え?どこ行ったの?てか収集ってもしかしてそれで石が消えたのかな。
俺は収集と念じて石を出すことをイメージする。すると掌にまるい石が出現した。
「これはまた便利なものを手に入れたもんだな」
俺は手にある石を握りそんなことをつぶやいた。