#1 Where am I?
…
青い空、白い雲、心地よい風に生い茂った草の上で俺は目を覚ました。
「ここどこ?」
周りを見渡してみても草原が広がっているだけ。
いつも目を覚ましていたアパートの中では無い。
それにポケットをまさぐっても周りを見渡しても使い込んだ激重愛用スマホも無い服はいつも通りのジャージ姿。だがポケットにはタバコとライターは入っていた。
酔いつぶれてたとしてもこんなとこに来るわけないしどうなってんの?新手の嫌がらせ?と思いタバコを持った手を見つめる。
すごい違和感…
俺こんな色白だったっけ?それに親指の付け根にあったはずの小さな火傷跡もない
もしやこれが異世界転生ってやつかな?いやいやバカバカしいまだ夢でも見てるんだろ。そりゃまぁ後悔ばかり思い出す人生だったけどまだ親に恩返しもしてないし死ぬつもりなんて無かった。
出席が足りてからは昼夜逆転してバイト行ったりするくらいしかない引きこもり生活してた俺だぞ?どこに死ぬ要素があるんだ。
一旦吸って落ち着くか、
俺はタバコを1本取り出しフィルターにあるカプセルを噛み火をつける。
「草原で吸うのもいいもんだな。」
いやダメなんだろうけどここには咎める人も居ない
「さてどうすっかな」
どうせ夢だろうし好きなことをしようこれは俗に言う白昼夢?正夢?なんだっけ?あの夢だと認識して見るやつ名前忘れちゃった。
とりあえずそこら辺ぶらつくかお腹減ったし。
俺は立ち上がると歩き始めた。歩くのは嫌いじゃない。意味もなく夜散歩に出かける時もあった。人が居ない所を歩くと孤独感と自分だけの世界を感じられて心地よいからだ。
ここまで人の気配がないのは初めてだからちょっと寂しいけどね。
少し歩くと川が見えてきた朝起きてからうがいもしてないし喉もかわいた汗も少しかいているしちょっと寄ろっかな。
俺はたどり着くと口を水で濯いだ水はとても透き通っていてほのかに甘味を感じさせた。ヒルとかエキノコックスとかあるからやめた方がいいけど大丈夫だろ。俺は水を飲み喉を潤してから服を脱いだ。
この体やけにすべすべだな。
俺は別に毛深い訳では無いが全身脱毛したいと思うくらいには毛があったはずなのだがムダ毛が一切ない。それに今まであった怪我のあとも無くなっている。ないならないでちょっと寂しいな。
「なんだこれ」
俺は左腕の肩の辺りに見慣れないものを見つけた。それは薄ら紫色がかった白で描かれていた不思議な模様だった。