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5月の話
普通で、平凡で、ただの日常。そういう何気ない日々が良い。
友人達に言うと笑われる。中学生男子は通常こういうことは思わないものらしい
奇抜で、希有で、突き抜けた非日常。現実離れした日々こそが望み。
彼ら曰く。中学生男子はそんな生活に憧れを持つもので。、
だから俺は異端らしい。おっさん臭くて所帯じみていると。
そもそもお前は双子の妹が居るじゃ無いか、それこそが非日常だ、と。
俺にしてみればそれも日常、大きなお世話ではあるのだが。
だいたい。
――普通の定義ってなんだよ。
その問いにキチンと答えられた試しは無い。
正直に言えば、かく言う俺だってよくわかっていない。
だが、ともあれ。
よくわからなくても。それでも俺は今の普通がとても大事だと、そう思っている。
だからゴールデンウィークの時の様な普通が揺らぐような事があっては困る。
俺個人はそんな生活を嗜好しては居ないのだから。
だから、これからするのは普通と普通でないの境界は何処か。そう言う話だ。
挿絵提供 ひつじこ 様 @A_Stray_Sheeep