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北部中央回廊防衛戦 戦闘評価

参加兵力(戦闘に直接参加した兵力のみを挙げる)


 共和国軍 総計 二一五四名

  陸軍第二師団

    第二八七装甲擲弾兵中隊(一四〇名)

    第二八八装甲山岳歩兵中隊(一五二名)

    第二八九装甲山岳歩兵中隊(一五二名)

    第二九三混成機甲中隊(五六名 戦車八両 騎兵四騎 装甲回収車四両)

    第二八一砲兵中隊(四八名 自走砲八両 弾薬補給車四両 指揮車一両)

  陸軍独立第七混成機甲聯隊

    第一騎兵大隊戦闘団

      第一騎兵中隊(一二名 MD騎兵一二騎)

      第二騎兵中隊(一二名 MD騎兵一二騎)

      第三騎兵中隊(一八名 MD騎兵一八騎)

      第四装甲擲弾兵中隊(一四〇名)

      大隊砲兵中隊(四八名 自走砲八両 装甲補給車四両 指揮車一両)

      兵站中隊(一七二名 三個補給小隊 一個憲兵小隊 本部管理班)

      野戦整備中隊(一八〇名 装甲回収車八両 トラック一六両 野戦整備機材)

      大隊本部班(三名 MD騎兵三騎)

      狙撃小隊(四名 MD騎兵四騎)

  陸軍第五砲兵聯隊 

    第一自走砲大隊(一三二名 三個自走砲中隊)

    第二自走砲大隊(一三二名 三個自走砲中隊)

    第三ロケット砲大隊(九〇名 指揮車三両 自走発射機一八両 補給車六両)

    第四ロケット砲大隊(九〇名 指揮車三両 自走発射機一八両 補給車六両)

    兵站大隊(五四八名 三個兵站中隊)

    聯隊本部中隊(一八二名)※聯隊砲撃観測班含む

  情報軍第三検索群

    成層圏偵察飛行船”マルハナバチ”級 一隻(一三名)

  情報軍第五検索群

    第一七ネットワーク戦闘任務群(一二名)


 帝国軍 総計 六四五九名以上

  親衛軍第三三装甲旅団(約五八〇〇名)

    第一戦車聯隊

    第二装甲化狙撃兵聯隊

    第三混成聯隊

    旅団砲兵聯隊(二個大隊編成)

    旅団本部

    旅団防空大隊

    偵察大隊

  親衛軍第一親衛騎兵旅団第四騎兵戦隊(五九名)

      戦略AD グロム(共和国名チェルノボグ)(一名)

      騎付き兵站中隊(五八名 重AD輸送車八両)

  親衛軍独立第八七砲兵聯隊(約六〇〇名 自走砲七二両)

  陸軍第一七山岳師団(参加兵力不明)


残存兵力

 共和国軍

  兵員 死者三四九名 重傷者八一五名 損耗率五四%

  装備 損耗率六八%


 帝国軍

  兵員 死者五〇〇名以上 重傷者一六〇〇名以上 損耗率三二%

  装備 損耗率三八%


評価

 共和国防衛戦争末期における中央戦区膠着状態打開のため、帝国親衛軍第一騎兵旅団が中心となり「中央戦区全体での攻勢を囮とした北部山岳地帯の突破、これによる共和国首都直撃を企図した作戦」と、それを阻止せんとする我が共和国陸軍諸部隊による防衛戦闘である。

 我が部隊は三倍以上の規模を持つ敵部隊によく対抗し、敵の作戦目標達成を頓挫せしめたが、戦線の維持が不可能となるほどの損害もまた被ったことは事実であり、第七聯隊第一騎兵大隊は後日解体されることになった。

 この点において当該戦闘の中心的人物であるローラ・フォン・ワイルダー少将(当時少佐)はその責任を認め、戦闘の一週間後に退役を申し出ている。これに対し参謀本部は慰留工作を行い、結果として少将は一ヶ月の無処任期間、軍大学での教育期間を経て再び新設の部隊指揮官に任ぜられている。

 この戦闘は単なる敵味方双方の新兵器同士の衝突となるだけでなく、AD/MDの技術から作られた戦車が如何に驚異的な存在であるかを誇示するとともに、ADおよび新兵器であるはずのMDの限界をも指し示した。

 このことにより、ADを中心とした戦力構成を、MDを中心としたそれへと変換することを企画していた参謀本部および国防省はこれを直ちに改めることを求められることになった。

 のちに「六号戦車」として知られる帝国重戦車群による「六号戦車ショック」を最初に引き起こしたことで名高いこの戦闘は、AD、MDという騎兵の時代が終了したその嚆矢として研究されている。


 なお、帝国軍の参加兵力については、帝国崩壊に伴う記録の遺失などにより不明点が多い。このため各種資料により明らかとなっている最低限度の情報のみを記載した。

 損害率の高さは、大半の研究においては帝国が当時行っていた全方位戦争による人材の消耗と、帝室および帝国政府内の主導権争いに端を発した軍部・政府官僚の粛清が、将校団全体の質・量の低下を引き起こしていたことで説明されている。

 また、戦略ADグロム(雷神)(共和国呼称チェルノボグ)の投入とそのパイロットの人選については正統帝国(亡命)政府ならびに共和国政府との間に秘密協定が締結されており、正統帝国政府の帝国本土帰還後五〇年後をもって公開される予定である。

 一節には帝室内部の帝室後継権争いが引き金になっているのではないかと噂されているが、ローラ・フォン・ワイルダー少将を初め、関係者はみな一様に口をつぐんでいる。

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