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#30 まさかのバズり

 翌朝。スマホへの着信で目を覚ます。どうやらメッセージのようだが、差出人は八尺様。何事かと思い内容を確認して、俺は思わず声を上げてしまった。


「はい!?」


 慌ててYuiTube(ユイチューブ)を開いて、チャンネルを確認する。そこに表示されていたのはチャンネル登録者数100万人の文字。見間違いかと思って一度目を(こす)ってみたが、結果は変わらない。


 詳しく見てみると、昨日の配信のアーカイブの視聴回数が1000万を越えている。コメント欄を見ると、何と海外の方々からのコメントもちらほらと見て取れた。俺は英語はあまり得な方ではないが、それでも、それなりに友好的なコメントであることは何となくわかる。


 しかし、これはいったいどういうことか。配信中は割りとごたごたしていので、同時視聴者数などは確認していなかったのだが、まさか一夜明けてこんな結果になっていようとは。


 俺は八尺様に事情を聞こうと、通話ボタンを押した。数コールの後、八尺様が通話に出る。


「あ、八尺様?」

『ぽ(はい)』


 電話越しでも、例のチャンネルと言うのは有効なようで、八尺様の言っていることが理解出来るようだ。俺は早速、一番の疑問を投げかける。


「これって八尺様のおかげですか? めっちゃ宣伝してくれたとか」

『ぽぽぽ、ぽぽぽぽ(確かに宣伝はしたけど、私一人じゃここまでは行かないよ)』

「それじゃあどうして……」

『ぽぽぽぽ。ぽ、ぽぽぽ(たぶんあの人のおかげ。ほら、昨日会った女の人)』


 昨日の女性と言えば、あの新米配信者という話だった彼女か。確かに花子さん達怪異を布教して欲しいとはお願いしたが、一晩でそこまで効果が出るものではないはず。


 俺がそう首をかしげていると、八尺様から追加の情報提供があった。


『ぽぽ。ぽぽぽぽ?(あの人、結構有名なインフルエンサーだよ?)』

「えっ!? そうなんですか!?」


 場にそぐわない感じは確かにあったと思う。ダンジョン配信をするというにはずいぶんと軽装だったし、振る舞いも完全に素人だった。でもそれは、あくまで新人配信者だからだと思っていたからで、そもそもが一般のインフルエンサーであるのなら納得が行く。


 あの男性配信者が、インフルエンサーである彼女を利用しようとしていたのだとすれば、男性配信者の思惑とも合致する訳だし、それが転じてこちらに都合のいい結果をもたらしたと言うのなら、これ以上の報復はあるまい。


『ぽぽぽぽぽぽ。ぽぽぽ、ぽぽぽぽ(発信力が私よりもずっと上の人だからね。一言投稿するだけでも、影響力は雲泥の差だよ)』


 八尺様の時ですらかなりの流入量だったのだが、それ以上のインフルエンサーに取り上げられた結果がこれと言う訳か。お互い自己紹介もなく別れてしまったが、ちゃんと布教活動をしてくれたと言うのだからありがたい。せっかくだから名前くらい聞いておけばよかった。そうすればお礼の一言も言えたのに。


 もちろん、ここで八尺様に彼女の名前を聞けば答えてくれるだろう。しかし、それはズルと言うか、どうにも気持ちの収まりがよくない。こういうのは本人同士でやるからいいのであって、他者を挟んで一方的に情報を得るなど不義理だと俺は思う。もし、どこかで再会することがあれば、その時は精一杯のお礼をさせていただくとして、今は彼女の気遣いに感謝し、この機を生かすのみだ。


「八尺様。今度時間取れますか? 出来ればもう一回ダンジョン配信に付き合って欲しいんですけど……」


 突然の申し出だし、断られたら仕方がない。それくらいの気持ちで、八尺様を誘う。しばしの沈黙はあったが、その返事は好ましいものだった。


『……ぽ。ぽぽぽぽ、ぽぽぽ(……いいよ。スケジュールの調整は必要だけど、せっかくの君からの頼みだからね)』

「本当ですか!? ありがとうございます!」


 八尺様は本当に親切で頼りになる。もちろん花子さんと比べている訳ではないが、花子さんは見た目年下だし、お姉さん的立ち位置の八尺様は、いると安心すると言うのが大きい。可能ならば、ここに芳恵さんも加えて、これまでの怪異フルメンバーでダンジョン配信に挑みたいところだ。


 ひとまず八尺様との通話を終えて、スケジュールの調整に入る。花子さんは昨日ジンジャエールを飲み過ぎたからか、酔っぱらっていまだに起きて来る様子もないし、とりあえず芳恵さんとの交渉からか。


 台所で朝食の準備をしてくれているらしい芳恵さんの背中に視線を送りつつ、俺はこの先の展開に心を躍らせていた。

読んでいただきありがとうございます。


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こっちはシリアスです!

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