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忘れてしまった私達  作者: 柊 終
序章:高校入学前の出来事
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情報屋の噂

次の次くらいで次の章いきます

「ぬ〜!!捕まえられなかった〜!!」

「まあまあ、そう言わずに〜。相手の名前が分かったからいいじゃないですか〜」

帰ってきてから、私は盛大に拗ねていた。

確かに名前がわかったのはいいことだが、肝心のどこの誰なのかが分かっていない。

瑠璃いわく、彼らは虹彩変色レンズで目の色や虹彩を変えていたそうだ。

「あのレンズを使うと、少し瞳の色が濁るんです〜」

と言っていた。


「それにしても、相方があの有名な燐灰だったなんて〜。驚きましたね〜」

「知ってるの?」

帰ってきてから瑠璃と二人だけなので、口調も変わっている。

瑠璃は家族みたいなものだから変に気を使って敬語にならなくてもいい。実に楽だ。

「知ってますよ〜。情報等を取り扱っている者なら一回は聞いたことがあるくらい有名ですよ〜。『情報屋燐灰』はもはや伝説のようなものですね〜」

「伝説?」

「はい〜。噂の例を挙げるとするならば〜、昔大量の情報が『裏』に流れた事があったでしょ〜?」

うんうんと頷く。あの事件は大変だったようだ。

大量の個人情報が裏に流れ、それを利用して不正アクセス等が横行し、当時の都は大騒ぎだったらしい。


「あれ、燐灰の仕業だったらしいんですよね〜」

ん?あれ、なんかおかしいぞ。

「えっ?あれって何十年前の出来事だよね?あの青年がその時生きていたとでも?」

もしそうなのだとしたら、あの見た目で随分歳をとっていることになる。

「いや、そうじゃなくて〜。今の燐灰は何代目かの者なんじゃないかな〜って」

確かに、それは有り得る。


「世襲制だってこと?」

「そこまでは聞いてませんよ〜。あの時燐灰(あのひと)だってこと、知らなかったですし〜」

あの後、私達はそれぞれが話していた事柄を共有した。

瑠璃は燐灰とはただ世間話的なものをしていたらしい。

世間話していただけなら、何故私は針を投げられたのか。

「なんかノワも意味深なこと言ってたしね」

何故依頼を受けたのか、なんて聞かなくてもいいことなのに。

何のためにそんな質問をしたのか、謎は深まるばかりだ。


「考えていてもキリがないですし〜、お腹も空いてきましたし〜、ご飯にしましょうか〜」

雰囲気を変えるかのごとく、瑠璃がそんな話題を出してきた。

私も丁度お腹がすいていたところだった。

「うん、いいね。そうしよう」

そう言って私達は事務所のキッチンに向かった。

「そういえば、瑠璃」

「何ですか?月花」

「なんか目の色違くない?」

「今更ですか〜?」

「いつからそれ付けてたの?」

「これ買った後、すぐにです〜。逆に今まで気づかなかったんですか〜?」

「うん」

「月花って、よく鈍感だって言われません?」

─料理中の一コマ

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