表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
忘れてしまった私達  作者: 柊 終
序章:高校入学前の出来事
4/23

宝石の行方

「「はじめまして、怪盗ノワとその助手よ」」

私達は声を揃えて目の前に座っている男と、その背後にいるであろう者に言った。

どうやら言われた本人は驚いたらしい。目を見開いている。

「何を根拠に言っているのかが分かりません。それに、君たちは本当に探偵なのですか?」

あら、本当のことですよと言いながら私達は探偵手帳を取り出す。


そう、私のもう一つの顔は『探偵』だ。

ちゃんとそれを示すものこそが私達が持っている探偵手帳である(これなしで探偵を名乗っている場合、捕まってしまう)。


男は探偵手帳をまじまじと見て本物だと納得したのか

「探偵だというのはわかりました。ですが、私が怪盗ノワだという証拠はあるんですか?」

と言った。

もちろん、それに対する私の答えは

「ありますよ」

だ。証拠はある。ないのに人を疑うのは探偵失格だ。

除名処分になりかねない。


さて、こちらからも攻撃を行うとしよう。

「第一に、あなたが知っているはずのない情報を知っていたこと。これにはあのサファイアの前の持ち主の情報が含まれますね」

「あれは噂で流れてきたことを言ったまでです。噂ですから信じない方が良いかと」

早く認めた方が罪は軽くなるのに、あくまでもしらばっくれるつもりらしい。


ならば…

「第二に、あのサファイアの性質を知っていたことです」

そう言うと、一瞬男は固まった。

「それは、あの紹介文にかいて」

「ありませんよ〜」

言い訳をしようとした男の言葉を瑠璃が遮った。

「あの紹介文にはサファイアだということくらいしか書いてありませんでした〜」

瑠璃の言っていることは本当だ。

実際に見て瑠璃とも共有してあるし、写真も撮ってある。

つまり、

「あなたがあのサファイアの性質を知っているなんてこと、有り得ません」


「それは館長に教えられて」

「有り得ません。あの人が数日しか雇っていない人をすぐに信じるような性格に見えますか?」

そんなことを言うとどこもそうなのだけど、雇い主が数日しか雇っていない人に様々な秘密なんかは教えないだろう(一部、例外を除く)。

きっとあの館長はそうであるはずだ。


「…っなら、私が怪盗だという最大の証拠となるサファイアはどこにあるんですか!!」

追い詰められたのか、狂ったように男は叫ぶ。

だが、それも予想していたかのように彼女は言う。


「今、あなたが身に付けているじゃないですか」


男のベルトに付いている飾りを指さして。

1╱26 文章・行間等修正

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ