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忘れてしまった私達  作者: 柊 終
序章:高校入学前の出来事
3/23

盗まれたのは

「お待たせしてしまい申し訳ない」

そう言って頭を下げるのは、先程館長に予告状を届けていた警備員だった。

「いえ、こちらこそ部外者なのに口を挟んでしまい、申し訳ありません」

あの後、今話している警備員と話がしたいからという理由で美術館の一室を貸してもらった。

なんとこの部屋はこんなご時世なのに珍しく、照明が白熱灯だった。

入ってきた時にはびっくりしたものである。


閑話休題(そんなことはさておき)


「館長はどうなりました〜?」

と瑠璃が聞く。

あの時館長は、ガラスケースの中を見ながら「ここを警備していたのはどいつだ!」とか「やっと手に入ったのにどうしてくれる!」とか騒ぎまくっていたのだ。

しかもあの場には沢山の光源(LEDや白熱灯など)があったので、館長の頭が光…失礼、ガラスケースの中が大変見えやすくなっていた。


「館長はまだ騒いでいますが、周りのお客様にご迷惑がかかってしまうので別室に…」

どうやら別室に行く時にも「お前らになんの権限がある!」とか「離せ!警備員風情が!」とか騒いでいたらしい。

確かこの警備員も「雇われて数日のお前が偉そうに!」とか言われてた気がする。

警備員の皆さんには少し同情する。

「大変だったんですね〜」

いつも通り瑠璃はのんびりしている。


閑話休題(それもさておき)


「盗まれたのはサファイアだったんですね」

「ええ、館長がとある老婦人から譲り受けた、場所によって色が変わる不思議なものだと」

あの時喚いている館長を押し退け自ら確認したが、

ガラスケースの中にはサファイアの写真付きの紹介文とともに

『ここにあったものは本来のあるべき場所へ返却させて頂きました。ノワ』

と書かれたカードがあった。

あの文言を見る限り、盗んだのは彼であっていそうだ。


というか、なんか色々わざとらしい気がする。

なんで予告状なんかを送り付けたんだ?

まあそんなこと、今はどうでもいい。

さて、どうやって追い詰めよう。

もう彼が誰であるかは予想がついた。

あとは今ある手がかりと彼から証言を引き出して、照らし合わせるだけ。


「確か、あなたはまだ雇われて日が浅いんでしたよね?」

「そうですが、どうしてそれを...」

「先程館長が喚いていた時に聞こえてきたものでして」

「そうでしたか、お見苦しいところをお見せてしまい、大変申し訳ございません」

「いえ、警備員の皆様は頑張っていらっしゃると思います」

そう言うと彼は少し疲れた顔でお礼の言葉を口にした。

数日しか働いていない人がこんなにも疲れているのだから、労働環境はよっぽどなのだろう。


「ところで、あなたの身に着けている飾りも素敵な色をされていますね」

そう言うと警備員は少し訝しんだ顔で言った

「はぁ、これは先日妻にもらったものでして…。というか今更ですがあなた達は?」

その言葉に、瑠璃が微かに反応を示す。

もう手がかりは十分に集まったようだ。

「ああ、そういえば名乗り忘れていましたね」


「私は月詠(つきよみ)探偵事務所所属、所長兼探偵であるブランです」

「同じく〜月詠探偵事務所所属の探偵助手〜、主にブランの補佐を行う藍晶です〜」

そして、声を揃えてこう言った。

「「はじめまして、怪盗ノワと、その助手よ」」

1╱26 文章・行間等修正

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