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忘れてしまった私達  作者: 柊 終
一章:夢の寮生活の始まり
18/23

知らない幼なじみ

レカミア=アメリカに変更しました

「は?」

呆気にとられた顔をしながら小さく呟く曜。

そんな彼を見て、私はさらに言う。

「確か、貴方は中等部からの内部進学生ですよね?ならばこのことも知っているのかと思いましたが……」

一旦そこで言葉を切り、彼の様子を伺う。

まださっき空いた口が塞がっていないようだ。

「そうですか、知らないんですねぇ」

にこりと笑い、そんなことを口にすると、彼の顔がみるみるうちに赤に染まった。


「やめておけ、曜。口喧嘩で月花に勝てるなんて、思わない方がいいぞ」

口を開こうとした曜を灰簾が止める。

「それに、今回はお前が悪い。素直に謝れ」

「そ〜ですよ〜。いくら記憶を失っていたとしても、私たち四人は『あそこ』で生まれ育った、幼なじみなんですから〜」


灰簾に言い返そうとしていた曜は、瑠璃の言葉を聞き、ピシリと固まった。

なんか目すらも動いてなくて、呼吸が止まっているんじゃないかと心配になるくらいだった。

もはや石像か?と思っていると、彼の首がギギ…ギ…と音がしそうなくらいな動きで、こちらを向いた。


「『あそこ』出身の…幼なじみ…?」

さすがに声はロボットみたいに不自然にはならなかったようだ。

だが、先程までの他人を見下すような響きは消え、少しの戸惑いと不安。そして──

(希望?)

何故、と考えようとしたが、それは彼によって遮られた。


「本当に、そうなのか?」

さっき喧嘩を売ってきたとは思えないほど、自信の無い声色だった。

だが彼の目はさっきとは違い、真剣そのもので、私が答えるのをただひたすらに待っている。

(仕方ない)

私は本当のことを言うことにした。


「貴方が言っている場所が、瑠璃が言っている場所と一緒なら本当ですよ。ただ、私が覚えている限り、貴方のような人はいなかったと思いますが…」

そう言うと、彼は私に質問をしようと口を開く。

「なら質問に答えてくれ。そっちのが確認しやすい。とりあえず、『ラピス』は何?」

「『ラピス』は、瑠璃が『あそこ』にいた時に与えられていたコードネーム。レカミア語で瑠璃を表す、『ラピスラズリ』からとられた」

「じゃあ、『ナイト』は?」

「灰簾のコードネーム。レカミア語で灰簾石を表す、『タンザナイト』からとられた…って、いつまで続けるんですか?」

このままやっていたら埒が明かなそうだ。

もうすぐで授業開始十分前になってしまう。


「じゃあ、これで最後だ。俺のコードネームは?」

「は?」

分かるわけがない。さっき知らないって言ってたの、聞こえてなかったのかな?

でも、問題を出されたからには解かねばならない。

ある意味、探偵としての性だろう。

いつの間にか、私は思考の渦に呑まれていった。


『あそこ』でのコードネームの付け方には規則性がある。瑠璃なんかはいい例だろう。

『あそこ』では宝石の名前、もっと詳しく言うと鉱石の名前がコードネームになっていた。

今は、私や瑠璃、灰簾も『あそこ』から逃げたけど、コードネームを皇国読みにしてそこから下の名前の一部をとった。

曜も同じならば、元の宝石の名前が分かればいいのである。案外簡単かもしれない。

その時、ある宝石の名前が頭に浮かんだ。


(直感だけど、いくしかない)

「『ディアン』、でしょうか…」

皇国=日本です


問題

月花のコードネームはなんでしょう

正解は次の後書きか、本編の中で

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