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忘れてしまった私達  作者: 柊 終
一章:夢の寮生活の始まり
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疑問

そういえば昔使ってた色鉛筆に土籠色ってあったなぁ

「…い、おーい、起きなよー、2人ともー」

そんな優しい声と共に、私の意識は浮上してきた。

「ん、起きた?」

そう言って話しかけてくるのは、目の前にいる先輩らしき人だった。

「起きたならそっちの彼も起こしてねー」

私は言われるがままに、隣で一緒に眠っていた、黒髪の青年を揺する。

「う…ん、だれ?」

まだ寝起きで意識もちゃんとしていないのか、そんなことを言って、彼は起きた。


「おっ、どっちも起きたねー。えらいえらい」

と私を起こしてくれた人が言った。

口調もそうだが、雰囲気がすごいふわふわしている。瑠璃みたいだ。

「失礼ですが、貴方は?」

完全に眠気から覚めたのか、隣の青年が問う。


「僕〜?生徒会長だけど?」

ん?この人今生徒会長だって言った?それにしては言ってることと口調があってない。そんな軽くていいのか?

「そうだよ?僕は3年A組、生徒会長でもある土籠(つちごもり)。土籠廉。まさか君たち、僕の祝辞聞いてなかったの?」

そう言われると、目を逸らすしかない。

丁度その辺で眠くなってきた頃だったから、あまり話なんか聞いていなかった。

そんな私達を見かねてか、先輩は言う。

「なるほどねぇ〜。君達から質問してきたから、僕からも質問していいかい?」

もちろんである。私達は首をブンブン縦に振った。

「なら遠慮なく。君達付き合ってるの?」


「「…へ?」」

なんでそうなるんだろう。そんな要素、1つもないのに。

頭にはてなマークを浮かべているのは私だけではないようだ。隣の青年も首を傾げている。

「ど、どうして、そう思われているので…?」

先輩に向かって聞いてみる。


するとあっさり答えが返ってきた。

「だって、君は彼の肩に頭を乗っけて寝ていて、彼は肩に乗った君の頭の上に頭を乗っけて寝ていたからねぇ。そりゃ先生方も生徒も皆付き合ってると思うでしょ」

まさかそんな風に寝ていたとは。

驚きと恥ずかしさからか顔が熱くなる。


そんな私達を見て満足したらしい。

「さて、僕はここの片付けが残ってるからここにいるけど…。君達、そろそろ行かないとクラス発表に間に合わないよ?」

先輩はそれだけ言って、体育館のステージで後片付けをしている人達に混ざって片付けをし始める。

「と、とりあえず、行きましょうか」

「そうだね。俺も多分人待たせてるだろうし」

私達は少し急ぎ足で出口に向かった。

「ふーん、あの子達がうちの末っ子と同じクラスの子なんだね〜。随分仲が良さそうだったけど、あれ初対面だよね?多分。なんかずっと付き合ってても不思議ではないくらいの子達だったな〜。ま、僕には関係ないし、いっか。忘れよう」

─とある男子生徒がこぼした独り言

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