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忘れてしまった私達  作者: 柊 終
序章:高校入学前の出来事
1/23

始まりは突然に

「館長大変です!」

そんな、警備員の声が平日の早朝に響き渡った。


ここはとある有名な美術館。

展示されている物はどれもどこかで聞いたことがあるような名前の絵や、中世の貴族が着けているような豪華な装飾品など。

もちろん盗まれては困るので平日土日祝日関係なく朝から晩まで警備がついている。

まあそんなことはさておき

「なんだ予告状だと?そんなことだけのために儂を呼ぶな!」

叩き起こされた館長にしてはたまったものではなかったようだ。

子供のイタズラだとか、怪盗なんていないとか、大声で言っている。

でも、そんなことは営業時間中に、しかも大声で言うことでもないだろう。

ただ静かに作品を鑑賞したい人の邪魔だ。

まあこんなことを言っている私も、静かに鑑賞したい人なんだけど。

おや、挨拶を忘れていたようだ。


私は白雪月花(げっか)

ただの中学生だ、今は。

もうすぐ高校の入学式だから高校生と言ってもいいような気がする。

どちらでもいいがそれは表の顔だ。

もう一つの顔がなにかは……まあ言わないでおこう。

別に反社みたいなものでもないので言ってもいいけどそれだとつまらない。

今直ぐにとは言わないがどっちみち分かる。

たぶんね。

それより今は

「来ないですねぇ…」

買いものに行った幼なじみを待つことの方が大事だ。

本でも読んで待っているとしよう。

そう思い、近くにあった椅子に座り、鞄から本を取りだして読み始める。


うーん、なかなか集中出来ない。

仕事で耳をよく使うせいか、聞こうとしなくても館長と警備員の会話が耳に入ってきてしまう。

曰く、怪盗なんているはずない。

いたとしても警備員がいるから即刻捕まえられるとの事。

何が狙われているのかは一向に話してくれない。

もしかして分からないのだろうか。

いや、話したくないのかもしれない。例えば盗まれる予定のものに事情があるとか…

いつの間にか本を閉じ、考え始める。


そういえばこんな噂を聞いたことがある。

『ここの館長は強引な手段を用いて持ち主から美術品を譲り受けている』というものだ。

もしかして盗まれるものは()()()()()()()なのかもしれない。

(なぁんて、ただの噂だ。真に受けない方がいい。)

それにしても何やら視線が痛い。

そんな注目されるようなことしてたっけ?

再び本を開くふりをしながら周りの会話を聞く。

「……ねぇ、あの子の髪の色…」

「…それに、あんな目の色初めて見た……」

ああなるほど、私の容姿か。


周りの人が言っている通り、私の髪の色と目の色は珍しいものだ。

何せ世間では『アルビノ』と呼ばれる色をしているから。

「アルビノは日に弱い」らしいが、私は信じたことがない。

だって毎日登校していたし、今日だって幼なじみと普通に歩いてきた。

日に弱いのなら、もうとっくに私はやけどじゃ済まないくらいの大怪我になっていただろう。

それはそうと、遅いなぁ

なんて思っていると

「ごめんね月花〜、遅くなりました〜」

やっと幼なじみが来たようだ。

初めまして。作者の柊 終と申します。

こういうものを書くのは初めてなので、温かく見守ってくださると幸いです。

と、堅苦しいのはこんなところで、次回は幼なじみが登場します。お楽しみに。

1╱26 ちょこっと修正

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