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ナイト・オブ・ラブ_6

「コットンさん…私は騎士です。」

バーンズは頭をぶるぶる振り涙を散らかす。

コットンは涙が掛からないように一歩下がった。


「誇り高き騎士です。こんな事で挫ける

男ではありません…

ですが、今日のところは一先ず退散いたします。」

そういいながらバーンズは涙を拭う。

「しかし、コットンさん!私を見ていてください!

ずっとずっと見続けてください!

私に穴があくまで見ていてください!!

私は必ずや騎士団の頂点になってみせます!!

その暁にはぁ!!!」

バーンズはくるりと身を翻し、こちらに背を向ける。

「あなたの愛の騎士になってもいいですか?」


とたんにミアはブーッと盛大に噴出し、

腹を抱えて笑い出した。

コットンはへなへなとその場に座りこみ、

『こいつ言っても分からないヤツだ』と言いたげに

うなだれている。

そしてバーンズは誇らしげに胸を張り、

そのまま店を後にした。



バーンズが去っていった店は再び賑わい始めていた。

俺とミアは途中だった食事を再開し、

先ほどの出来事を振り返っていた。


「あいつマジでやばかったな…

紙食ってたもん。どうかしてるよ。」

ミアはフォークでウインナーを転がしながら

しみじみと感想を述べた。


確かに、あれは狂気の沙汰だった。

久しぶりにドン引きする気持ちを味わった。

コットンも意気消沈といったところで、

心ここにあらずといった面持ちで接客している。


「しかしまぁ恋というのは、ああも人を狂わせるものなのか…」

俺はビールをグイッと飲みしみじみとつぶやく。

「いや、あれは恋とか関係なく狂ってたよ。」

そう言いながらミアはウインナーにかぶりつく。

「でも、今晩の出来事は面白すぎた。タロさんに報告しないと。」

思い出し笑いをするミア。


接客を終えたコットンが俺たちの席までやってきた。

「なんだかドッと疲れた夜になったわ…」

若干やつれた顔をしている。

差し出した手紙を目の前で食われたら

そうなるのだろう。気の毒だ…

「ありゃ夢にでてくるな。」

俺はガハハと笑いながらビールを煽る。

「ジャムさん変なこと言わないでよ。」

コットンはため息をつく。


「でもさ。今夜は忘れられない夜になったんじゃない?」

ミアはケラケラ笑いながらコットンの背中を叩く。

「違う意味で忘れられない夜になったわよ…」

額に手を当てて首を横に振る。

「まさに愛の夜だね。」

「やめて。」

コットンの冗談を真顔で制するコットン。

俺はビールを飲みながら二人の様子を眺める。


愛の夜…バーンズの滝のような涙を流した姿を思い浮かべる。

そうだな…たしかにあいつは愛の騎士だった…

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