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続・久しぶりの仕事_4

「お前たちは、馬車に乗っているお方がどなたか知っているのか?」

ディアナは目の前にいる二人の男を交互に睨む。


「まあな。依頼人からはレジオン教の偉いお方だと聞いてるぜ。」

ビリーはニヤニヤと笑いながら馬車を指差し

「で?どうすんだ?大人しく差し出してくれんのか?」


「馬鹿な事を言うな。差し出す訳ないだろう。」

ディアナは毅然とした態度で答える。

「そうかい。ラッキー、やるぞ。」

ビリーが合図をすると、ラッキーは重そに馬からずり落ちる。

背中に背負っているバトルハンマーを手に持ち、肩に乗せる。

「残念だなぁ。あんまり喧嘩はすきじゃねえんだ。」

ラッキーは右手に唾を吐き、ハンマーを構える。


「ディアナさん。ここは俺にまかせて、アルマの所に戻ってもらえませんか?」

俺は今にも剣を抜こうとしているディアナに提案する。

「何を言っている。相手は二人だぞ。」

「相手の目的がアルマなら、ディアナさんが側にいてくれたほうがいいと思うんです。」

「・・・お前ひとりで大丈夫か?私がひとりで相手してもいいぞ。」

「任せてください。報酬分の仕事はしますから。」


ディアナは少し考えていたが、剣の柄から手を離し

「わかった。ここは任せたぞタロ。」

そう言って馬車の方へ走って行った。


「おいおい。お前ひとりで俺たちの相手すんのかい?」

ビリーは右手を腰の後ろに回す。

「悪いですね。不足はないと思いますよ?」

俺は背中のロングソードを前に振り出す。

しかし、鞘に入ったままだった。


「・・・剣抜けてねえぞ。」

「・・・これでいいんですよ。」

かっこつけるつもりが、とんだ赤っ恥だ。


「てめえ、俺たちは切る価値も無いってか?」

ビリーはこめかみに青筋を立てている。

「いや、人を切るのは苦手なんですよ。」

これは本心だ。


「なめやがってっ!!」

ビリーは後ろに回していた手を前に振ると、

キラッと光るものがこちらに飛んできた。

すぐさま鞘で弾く。それは地面に突き刺さった。

短いダガーのようだ。


「うおおおおおっ!」

いつの間にかラッキーが目の前にやってきて

振り上げたバトルハンマーを俺の頭めがけて振り下ろす。

それをサイドステップで避けるが、

ラッキーは体勢を変え、ハンマーを横に寝かせて、フルスイングをする。

渾身の一撃を鞘に入った剣の腹で受け止める。

かなりの衝撃で少し後ろに押された。


「驚いた・・・ふつう吹っ飛ぶぞぉ。」

ラッキーは驚いた表情で呟いた。

途端、ラッキーの後ろから影がぬっと出てきて、

ナイフが音もなく飛び出してきた。

俺は体を捻り、ナイフを躱す。


そのまま半回転しながら、ちょうどハンマーを

振り上げていたラッキーのガラ空きの胴に剣を打ち込む。


ラッキーは体をくの字に折り曲げ、前のめりに崩れ落ちた。


「マジかよお前・・・」

ビリーは左手でもう一本ナイフを抜き、両手に構える。

ものすごい速さで距離を縮めてきて、右のナイフで切り込んできた。

剣で弾き、左からもナイフがきたので、剣を振り柄頭で防ぐ。

その勢いでビリーの左顎あたりめがけて振り抜く。


ゴッと鈍い音を立てながら、左顎に鞘の先がめり込んだ。

ビリーは白目を剥きながらバタンと倒れ、その場で気を失った。

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