ブラックフライデーにかこつけて
今日はブラックフライデーです！！(^O^)／
「６０デニールタイツＴＬサイズも１５％ＯＦＦだ！！」
ブラックフライデーの“ポチ買い”をしてから私は苦笑する。
私なぞが無理して“６０デニール”を履いて何の意味があるのか？？
“他のコ達を全員見下ろしてしまう”女子高時代は“何かと寄っかかられる”頼られキャラで、持ってるスカートは制服の２枚のみだった。
そんな私だって“人並みな事”をやりたくて……大学入学をきっかけに“インカレサークル”に入った。
けれども『モデルじゃあるまいしあの身長で“ミニ”とか痛過ぎでしょ！』とあからさまに聞こえる陰口を叩かれて早々にサークルもスカートもリタイヤし、結果的には勉学に重点を置く学生生活となった。
その甲斐あって就職する時は会社選びの選択幅が広がったが色んな条件を鑑み、“制服のある”今の会社に就職した。
今の会社には私より背の高い男子社員も少なくは無かったが“インカレサークル”の時と状況はさほど変わらない。
平たく言えば、『背だけ抜きん出ていても絶対に“オトコ受け”しない』という事だ。
別に“男”がすべてじゃない。だからこそ私は一般職の“営業”希望で今の会社に就職したのだが配属先は営業部では無く経理部だった。
同期会の席で営業部の男の子から聞いたのだが、もう一人の“一般職入社”の市村さんにオファーが集中して、営業部ではどの課も私を欲しがらなかったそうだ。
かなり酔いが回っていたその男の子は「市村さんと竹内とでは女子力が違い過ぎるからなあ」とのたまい、バカにしたような目で私を見上げたのだ。
「ホント！何もかも小っちゃい男！！」心の中で毒づいて私は不愉快な気持ちを飲み込んだのだが『“女子力”なるものを求める営業部、しいてはこの業界って何なの？！』と心底がっかりした。同時に、チャンスがあれば営業部へ転属したいという希望も潰えた。
配属された経理部は“女子は総合職のみ”で……センパイ女子からの“風当り”は男子の同期くんに対するものとまるで違っていた。
『タダ飯食い』呼ばわりされる毎日から逃れたくて、せめて簿記資格を取ろうと決心したが、この目論見がバレたら“彼女達“を刺激して嫌がらせに拍車を掛けられそうだったので会社の自己啓発プログラムは使わず自腹で通信教育講座を申し込み、半年余りで日商簿記２級を取得した。
今でも合格した事は隠し通しているが、１級を目指す勉強は始めている。
まだまだ道のりは遠いが１級合格の暁には初めて“ざまあ”ができるに違いない。
ぎゅうぎゅう詰めの満員電車の中で……
私はおおかたの人の頭を見下ろしていて、有利に酸素を吸う事はできるが……禿げてたりフケだらけだったりする汚いオヤジども頭をから目を反らせたら、可愛らしい女の子のウェービーな髪の房から垣間見える首筋に“激しい愛の跡”があったりする。
そして電車が揺れるたびに寄せては返す人波は“独活の大木”の様な私の体にぶち当たって、時折“不可抗力”を装う痴漢どもからお尻や胸に体当たりされる。
だからだ！！
会社の制服のスカートが“独活の大木”の私が履くゆえ“想定外”のミニとなって“６０デニールタイツ”の脚を見せる事になっても何の意味があろう？？
きっと男の本質とは『意気地なし』で
“身に余るオンナ”にはその手を伸ばさない。
で、ブラックフライデーの買い回りを終えた私はまだスマホをいじっている。
「ちょうど一月後のクリスマスイヴを例年通り一人で過ごすか……それが大過ないという事」
心の中でそう呟いてるくせに、スマホで『マッチングアプリ』って検索したら……
男性が月額３，７００円で女性は無料とか……
想像していた物より全然敷居が低くてありがたいけど……
月額３，７００円でオトコが欲しいオンナ(笑)の情報ゲットできるならタダ同然だよね……それってブラックフライデー並みの叩き売られ方じゃ無くね？
まあ、私にそんな事言う資格はないのだけど……
やっぱり私には無理……なのかな……
この妙に四角四面な考え方が私自身の“プリン頭”を俯瞰で見ている気がして、
私を“恋活”や“婚活”から逃げ出させている原因かもしれないな。
ええい！！
清水の舞台から飛び降りる気持ちで、
“ブラックフライデー”してみようか？？
でも、きっとプロフィールで身長書くんだよね……
で、全然メッセ来なかったら
傷付くよなあ
やっぱりやめとこ！
おしまい
当初はもっと黒いお話だったのですが日頃の行いを反省して書き直しました。
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