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《番外編》フュエルの過去:前編

フュエさんの過去を書きました!

三部作の予定!

私はカエデにこの世界で生きていく術を教えていた。そしてカエデに聞かれたことを答えた。私に心を開いてくれて嬉しかった。


なんで私は出会って10分ぐらいしか経ってないこの子の世話を焼いてるんだろう。


私はハッと気づく。きっとこの子とミナカちゃんを重ねちゃってるんだ。同じ過ちは繰り返さない。もう離さない。そう思ってるんだ。


25年前。私達エルフにとって25年の年月はそう長いものでは無い。だがまだ私が幼かった頃の話だ。幼なじみのミナカちゃんと一緒に冒険した時の事だった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


私はミナカちゃんの家にやってきた。「ミーナーカーちゃーん!あっそぼー」大きな声でミナカちゃんを呼ぶ。ミナカちゃんは人気者だから早く行かないと他の子に取られてしまう。


「あ、フューちゃん!いいよー!今すぐ準備するね!」そう言って2階の窓から身を乗り出して返事をしてくれた。


待つこと10分。ミナカちゃんが可愛らしい格好をして出てきた。花柄のワンピースだ。髪にソウシンゲと呼ばれるきれいな花のピンを付けていた。そして少し大きめの麦わら帽子。肩からかけてる水色の小さめのバッグ。可愛いと言うのはこの事なのだと思わせるほどだった。


「フューちゃん、今日はどこに行くの?」と首を傾げて聞いてくる。


「ものすっっっごい発見をしたんだよ!」私は腕を回しながら答えた。


「へぇ、私もその発見を見たい!」


私達はミナカちゃんのお父さんとお母さんに手を振って森へ歩き始めた。


「この前、私がお父さんと狩りにこの山に入った時に迷子になっちゃったの。迷子になっちゃった時に見つけたんだ!」私ははしゃぎながらミナカちゃんに説明をしていた。説明をしながら15分ぐらい歩いた。すると目的地に着いた。


ーー洞窟だ。


「うわぁ、こんな所に洞窟なんてあったんだ」ミナカちゃんは口を手で押さえて驚いていた。


「しかもほら、入口を見てよ!クリアポイントがないんだよ!」と私は言った。クリアポイントとは洞窟のボスが倒された時に洞窟の入口に立つ緑色に光る棒のことである。冒険者はクリアポイントを立てることを義務付けられている。


「ホントだ!さてはフューちゃん、一緒に中を歩こうって言うんじゃないだろうね?」ミナカちゃんはこっちを睨んできた。


そのつもりだった。ボスが出てきた時は私とミナカちゃんの魔法を使って逃げる作戦で。運が良ければお宝が貰える、ピクニック感覚だったのだ。


「フューちゃん、洞窟は危険なんだよ!お父さんが言ってたけどレベルの高い洞窟ならば普通に出てくるモンスターでも私たちからしたら脅威になるんだよ」


「確かにそうだけど、さ………お宝欲しくない?お父さんとお母さんを助けてあげたいんだ。」


「うぅ、そう言われるとなぁ……もう!フューちゃんのバカ!そういうところずるい!」


「ありがと。ミナカちゃん!」


そう決まり、私達は未開の洞窟に足を踏み入れた。この先に待ち受ける恐怖を知らずに。

番外編の方が本編より好きなのは私だけ………そう、きっとそうだ。

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