《番外編》楓との出会い
フュエル目線〜
「ふぁーあ」大きな欠伸とともにベッドから上半身だけ起こす。
今日は何しようか………
今日も狩りに行こう。村の食料を貯蓄するために。
私はステータスを確認する。
《スキル 鑑定》鑑定の矛先を私に向ける。よし、ほとんどが回復してる。昨日は中々の強敵と戦ったせいで瀕死状態だったんだよね………
スキルを使うにはTPがいるし。私の場合狩りは基本スキルで行っているからTPが命なのだ。
私は狩りに行く準備をし始めた。服を着替え、朝ごはんを食べ、歯を磨き、髪を整える。こうやって1人で生活してると悲しくなる。2階建てになんてするんじゃなかった…………
そんなことはどうでもいいや。よし、行こう。私は思いっきり玄関のドアを開いた。
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私は森で音を聞いた。なんだろう、走っている音だろうか。耳を傾ける。
1匹。いや、2匹。片方がもう片方を追っているのか。これは私が両方いただく他ないね!
私はその音の方に向かう。スキル《跳躍》イメージして、私が行ったことある場所ならワープできる。私は一瞬で音のする場所へ着いた。ほんっと便利なスキルだなぁ。TPの減りがエグいけど…
ん?よく見ると2匹じゃない。ドッグウルフが小さい女の子を襲っている。大変だ。助けないと。
私は即座にスキル《精霊の弓》を使ってドッグウルフを標的にセットする。そして矢を、放つ。
このスキルは実際に無い弓をイメージすることで具現化できる。矢も同様だ。
命中した。良かった。助けられた。でもよく見るとあの子、迷い子じゃない?たまにいるのだ、迷い子が。本来、この世界にいたらダメな人が急に現れることがある。その子の事を迷い子という。私はこれで2回目の迷い子遭遇だった。
1回目は本当に出会っただけだった。「ここはどこだ?」と聞かれて「マリアレスト村だよ」と答えるとその子は走ってどこか行ってしまった。
それよりも今、目の前にいる迷い子の方が優先だ。もしかしたら迷い子じゃないかもしれない。
私はスキル《鑑定》をその子に向けて使う。
なんだ、これは。
・望月 楓 (14)
称号
No date
スキル
・隠蔽(Lv3)
・超跳躍(Lv9)
・嘘破り(Lv10)
・体内時計(Lv10)
・気配察知(Lv10)
・忍耐(Lv9)
・HP自動回復(Lv8)
・TP自動回復(Lv9)
・手足(Lv15)
これを見るに余程苦しい生活をしてきたのだろう。だが謎なスキルがひとつある。《手足》だ。初めて聞いた。それにスキルレベルの上限は10のはずだ。Lv15…………とは。
とにかく。この子の安否が優先だ。
「大丈夫?」私は私なりの全力で笑顔を作る。
「え、えぇ、お陰様で……。もしかして助けてくれたんですか?」女の子、楓は声を震わせながら私に応えてくれた。
「それ以外に何があるの、もう、狩りに出たら小さい女の子がドッグウルフに食べられそうになってるんだもん」これは本当のことだ。ここで嘘を言っても楓のスキル《嘘破り》に見抜かれてしまう。
でも何故だか分からないが放ってはおけなかった。だから私の村に来てもらうことにした。そして私の家に泊まってもらうことにした。
たまに書きやす