閑話 第一章時点の登場人物まとめ
第二章投稿開始に合わせ、これまでの登場人物をまとめました。
※第二章第一話の前に後から差し込んだので、順序が逆転しております。お気を付けください。
~ドルカと楽しい仲間達~
・アッシュ=マノール
本作の主人公。濃い目の茶髪に茶色の目、平均的な身長というどこを切り出しても普通などこにでもいる17歳。
寂れた小さなマノール村の出身で、農家の次男坊。村に居ても長男のスペア扱いで「自分」を見てくれる人がいないことに嫌気がさし、口減らしを言い訳に村を飛び出し色んな職人や商人の元に弟子入りしては、「そこそこ」止まりに嫌気がさして次の職人へ、と転々とする生活を送っていた。
最終的にとある親方から「なんでもそこそこにしか出来ないなら、それを活かせる道を探せ」と言われ、冒険者になることを志し、冒険者の聖地、ショイサナに行くことを決める。
その実力は正に器用貧乏。慎重で臆病者の小心者。……のはずだったのに、飛び切りのヤバい奴に出会ったことで冒険者生活数日にして既にもう常識がマヒし始めている。
貧乏な村出身故に大金に目が眩みやすい。借金にはもっと弱い。
・ドルカ=ルドルカ
本作の主人公その2。ルドルカ家という由緒正しい血筋の令嬢にして勇者と共に魔王を封印した偉大なる英雄の末裔。青みがかった黒髪に深い藍色の瞳、ちょっと小柄な15歳。育ちの良さがわかるつやつやの髪にいつも笑顔を絶やさない少女は一見とんでもない美少女のように見えるが、その奇天烈な言動と行動が全てを台無しにしている。
曽祖父の部屋の奥深くにしまわれた宝の地図らしきものを発見し、2秒後に旅立つことを決め、5分後に本当に旅立つ。父愛用の麺棒を片手に、ほぼ丸腰で旅立ったにも関わらず何の危険にも出会わないまま数週間の時を経て本当にショイサナまであっさりと辿り着いてしまい、その上ゼロの状態から80万ペロまで資金を増やすことにまで成功した。
なんやかんやでチンピラに怒られて逃走中、アッシュと正面衝突。そのアホさから運命の出逢いだと確信しそれ以降ひたすらにアッシュに付きまといアピールを続けている。
何も考えていないのに幸運だけで全てが良い方向に進む、恐ろしい豪運の持ち主であることに加え、何故か無尽蔵と言っても良いレベルで生命力、魔力に満ち溢れている。
なお魔法を使えるほど頭は良くないので魔力は持ち腐れである。
・アレクサンダー
ドルカが市場で購入したアイテムたちの連鎖反応により偶然産み出された、自我を持ち、自分の意志で歩き回れる二股の大根。そのうごうごと駆け回る姿から魔物のマンドラゴラと勘違いされたが、こちらはれっきとした植物である。創造主であるドルカに忠実で、時には身を挺して主人を護る。創造主が崇拝している相手ということでアッシュの指示にも忠実に従う。
圧倒的な物量により、四天王ディアボロスを無力化、その上で魔窟を除くショイサナ中の冒険者達を追いかけまわし街を征服する一歩手前まで来たものの、その寸前で街の住人達に食料として目を付けられ乱獲が始まり、その大多数は美味しく食べられることとなってしまった。
なお、アレクサンダーを始めとしたドルカが産み出した第一世のマンドラ大根達は成長を促進させる謎の香水の影響で猛毒を持っているが、同じ香水で育ったはずのアッシュが街中に放った第二世達は何故か無害で、非常に美味しかった。
実は最後まで生き残ったのはアレクサンダーではなくアレクワンダーなのだが、ドルカが自信満々にアレクサンダーだと言っているので彼はアレクサンダーとして生きることに決めた。
~魔窟のイカれた奴ら~
・ダグラス=オールストロング
筋骨隆々の半裸のおっさん。裸一貫でドラゴンとタイマンして勝てるだけの恐るべき戦闘力を秘めている。冒険者クラン剥き出しの筋肉愛好家のリーダー。ワセリンとプロテインを愛し、それ以上に筋肉をこよなく愛する男。
物理面はほぼ無敵、弱点かと思われがちの魔法でさえ特性ワセリンの効果で巧みに跳ね返す。
その筋肉に魅せられて彼の元を尋ね、元の体格も人格も失って筋肉崇拝に目覚める者が後を絶たないため、ダグラスが魔窟エリアから出て普通の市場に繰り出すだけで厳戒令が敷かれる。
・不純喫茶ガチムチゴブリンのマスター
不純な動機で男達が集う喫茶店のマスター。どこからどう見ても筋骨隆々なゴブリンが女装しているようにしか見えない。不純喫茶は上質なプロテインとワセリンがウリの店であり、ダグラス達筋肉バカの憩いの場となっている。
・ホワイトリリーの冒険者
冒険者クランホワイトリリーの冒険者。冒険者として強くなる代償として完璧に女子力を捨て去っており、男から見向きもされなくなってしまった成れの果て。持ち前の恐るべき戦闘力を活かしあり得ないレベルの魔物やレア素材を乱獲、超一級の化粧品やアンチエイジンググッズを駆使して若さを保ち、虎視眈々と若い男性冒険者達を狙っている。
外見の美しさにほいほい釣られる冒険者も少なくないが、中身が相当にアレな奴ばかりなのですぐに我に返り全力で逃げ出すことになる。逃げ切れなかった男はめでたく一夫多妻、子沢山の夢のようなハーレム生活が待っているが、その目は一様に昏く絶望に染まるという。
アッシュもターゲットにされかけたが、事前にダグラスにその存在を知らされており、またダグラス自身が身を挺して庇ってくれたためぎりぎり助かった。
・エリス
魔窟の冒険者ギルドに左遷されたかわいそうな受付嬢。素晴らしく有能できびきびと働く姿に見惚れる者も多いが、魔窟に順応できるということはヤバい奴に違いないと見向きもされなくなり、ホワイトリリー同様独身女性まっしぐらなのではないかと焦りを感じている。
ちゃんと会話が成立する真面目そうなアッシュが魔窟に紛れ込んでしまったのを見て、出来る限りのことはしてあげたいと手を尽くしてくれた良い人。
常にギリギリの所で理性を保っているため、時折ちょっとしたきっかけでため込んでいたものが決壊する。
・ドリー
魔窟にの冒険者ギルドに左遷されたかわいそうな受付嬢その2。イカれた冒険者連中に対し、一切関心を持たずまともに相手しないことで自然体のまま己を保てている稀有な例。ギルド本部での勤務時代、その塩対応っぷりに妙な固定ファンがいたものの、なんだかんだでウブだった為誘いはすべて断っていた。今もまだギルド本部を拠点とする冒険者達から絶大な支持を得ているものの、魔窟まで口説きに行く猛者はおらず、平穏な日々を過ごしている。
極度のめんどくさがりではあるが、だからこそ最も効率よく動こうとするタイプなのでなんだかんだでエリスに負けないくらいに優秀だったりする。
~ショイサナに潜む悪い奴~
・エリック
マフィア組織の下っ端幹部で、賭場を一つ取り仕切っていた。ディアボロス直下の幹部ではなく、元々別の街からの流れ者の為、古き良き、義理人情に熱いチンピラといった様相をしている。
ドルカ相手にイカサマを仕掛け、有り金どころか借金まで押し付けることに成功したが、その後返り討ちに遭い賭場の売り上げ全てを巻き上げられることになった。ディアボロスが正体を現し暴れ出した混乱に乗じてちゃっかり部下を救い賭けに負けた金も全て持ち逃げ中。
・レザー
マフィア組織の下っ端。実はエリックの右腕的存在だった。アッシュ達に市場で見つかり捕獲されたのが運の尽きかと思われたが、持ち前の交渉力と危機察知能力でギリギリダグラスのブートキャンプ入りを免れた。
アッシュの気がそれた所でこっそり脱走済み。
・その他のチンピラ達
エリックの指示の元ドルカを追いかけまわしていた小物臭漂うチンピラ。ダグラスにあっさり確保され、その性根を叩き直すという名目でほぼ強制的にダグラス傘下に置かれることに。
これからの人生が筋肉一色に染まることに決まったが、受け入れてさえしまえば多分幸せ。人格も体格も原型をとどめないことに目を瞑ればであるが。
~ショイサナに潜むガチで悪い奴~
・ディアボロス
500年前に魔王と共に世界中で破壊と暴虐の限りを尽くした四天王の一人。本体は胸部の水晶のみで、その他の身体は魔力製。その本体である水晶の周りさえも薄く魔力の膜で覆うことで物理攻撃はほぼ無効。しかも、弱点である魔法攻撃も500年の時を経ていわゆるバリアチェンジを身に着けることで弱点属性以外は吸収する。魔法のエキスパートで敵の魔法を吸収しながら極大魔法を連発、物理攻撃も魔力で出来た肉体によって生半可な腕では通用しないという、四天王の名に違わぬ凶悪極まりない力を秘めている。
まともに戦うのであれば、的確に弱点属性を見抜きその属性魔法を浴びせ続け、魔力を削り取って肉体が弱った所ですかさず本体の水晶にありったけの物理攻撃を叩き込む必要がある。
顔も作り物で、視覚や聴覚さえも実は水晶経由で得ているため、水晶を覆われると何も見えなくなってしまうという弱点があり、アッシュは偶然無数の大根でこの水晶を覆い隠し、物量で動きを封じ、魔法は無数の大根を盾にすることで無力化に成功したが、目を離したすきに逃げられてしまった。
街に潜伏する間に勇者一族の屋敷を奪取、その地下に広がるダンジョンめいた空間に魔王が封印されていると考え、居なくなっても気付かれないレベルの冒険者を捕まえてギャンブルの型に嵌めては使い潰し死後はアンデッド化して使役、自身が入れないレベルの聖域となっている勇者邸の地下の探索を続けていた。
ドルカが落とした宝の地図を見たことで、勇者邸の地下はフェイクで、この地図の「宝の在処」こそが本当の魔王封印の地であるといち早く察知、虎視眈々と魔王復活に向けて準備を進めている。