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花言葉は

 未来の妻の卒業式に間に合わない。


 そう言った思いが気持ちを焦らせた。


 私はそう伝えて、未来の妻に花を手渡した。


「花言葉は“財布忘れた”だよ。はは」


 ルーズリーフに包んだ名前も知らない花。学校の側に生えている花だ。花の形が変わっていてそこ以外に生えているのを見た事がない。


 実際のところ財布は持っていたけど、中身がなかった。けれど、どうしても未来の妻に卒業花をあげたかったのだ。


 ギャグだと思われたら良かった。それでも、笑って貰えたなら、あなたの心に私が残るなら、幸いだと思った。


 だが、未来の妻は泣いた。そして一言も話さずに立ち去った。


 後の飲み会で本人から話を聞くと


「花は研究室の花瓶に差して置いてきた」


 と言う。



 話は変わって今。結婚した後の妻は時々リビングに花を活けている。


 私はその花を見るたびに、花瓶の下にそっと千円札を挟むのだ。




◇ ◇ ◇ ◇


Twitterにて『住職探偵』の著者であります建 持先生に滅茶苦茶誉めて貰ったので、調子にのって更新します!

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