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第 オマケ話 草葉の陰で


 父の座っていた場所に私が座り、父は仏壇の向こう側に消えた。


 父が新聞を読んでいた椅子で、私はスマホでまとめサイトをチェックする。


 本棚にある私のカーマ・スートラを息子の本棚に忍び込ませる。


 私の本棚には父の時代の恋愛指南書を設置しておく。


 栞代わりの500円札は、まだ使うかもしれないアナンガ・ランガに挟ませて貰った。いつか子供達の誰かがこの栞を使う時、仏壇で父はほくそ笑むだろうか。それとも、私と父で草葉の陰で笑い転げるだろうか。



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