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歌と詩

彷徨

作者: 風花 深雪


空見上げ 流れる雲を見て思う

いつもと変わらぬ心象風景

風の赴くままに流れる雲のよう




私もあなたも変わらない

人や環境 その場の空気に流されて

行く宛もなく ただ彷徨う


どこかへ流れついたとしても

それは私の思い描くものではない

それでもそれを受け入れる




変わることなく 変えることなく

現在(いま)のままでもいいと思う

けれど心は晴れぬまま 白い霧が立ち込める


幼い頃に描いた夢は 一体どんなものだっけ?

社会や世界のことなど知らず

ただただ懸命に生きていた頃のこと




悪いやつらと戦うの

素敵な王子さまと結婚するの

いろいろあったね 小さな私


純粋に目の前のことだけに集中して

本気で遊んで 本気で泣いて

好き勝手に自由に生きていた「私」は何処へ?




見上げれば 変わらず雲はそこに在る

ゆっくり けれど確実に 風に任せて流れてる

流されるままのあの雲は 一体どこへ向かうのか?




同じことの繰り返し

私もあなたも雲のよう

なにもせず ただその場へ身を委ねるばかり


上辺だけの人付き合い 社交辞令もほどほどに

作り笑顔も完璧よ

これで私も 汚い大人の仲間入り




悪い空気を吸いすぎて 私の身体は鉛のよう

どこにも行けない 法や社会に縛られて

私はここで果てるだろう




暗雲が垂れ込める 日の光りはもう見えない

あの頃に 戻れるものなら戻りたい

だれか私を連れ出して

頬に伝うは一筋の涙

それを拭った この手は誰?




それぞれの色に染まる中 透明なあなたは微笑んだ

何色にも染まらない それをどれほど望んだか


雲間から光りが射し込めば 私の身体は軽くなる

あなたと共に歩み出す 上を向いて歩いていこう

「私」という強い意思をもって 幼い頃の夢を追う




小さな私よ 待っていて──。







お読みいただきありがとうございました。

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