決着
「さあ、終わらせてやる!」
「待って! これ見てください!」
私はスパッツを勢いよく下げ、ショーツを見せた。
私のショーツを見た、伊藤さんは驚いた顔をして、
手で隠せとジャスチャーする。
「馬鹿、お前、人前で何やってんだ?!」
私は驚く伊藤さんの顎に、左の跳び膝蹴りを入れ、頭を掴んで右の膝をこめかみにいれた。
無防備だった伊藤さんは、二発ともまともに食らい、その場に倒れた。
「嘘?! 勝ちゃった!」
私は痛みを感じ、その場にしゃがみ込む。さらに、脇を痛めたみたいだ。
伊藤さんを見ていた山下師範が、渋い顔で私を見た。
「年頃の娘がなんて、格好だ。早く、隠しなさい」
「押忍」
「しかしまあ、してやられたな。あんな方法、普通思いつかん」
「押忍、ありがとうございます」
私は自力では歩けず、車いすに乗せてもらって、控室へと戻った。
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「あつつつ」
痛み止めも効かなくなっているらしい。
そろそろ決勝の時間だ。
決勝は木村とやることになった。
俺はボロボロ。木村のダメージは大したことない。
こりゃ、最初から勝負は見えてる。
しかし、決勝戦を棄権したとあっては、楽しみに待ってくれている人たちに申し訳がたたない。
「奈津美さん、棄権したほうがよくないですか?」
「うーん。とりあえず、リングインはするよ。
観客がまってくれてるし」
そうはいったものの、花道を歩きだして後悔した。
一歩踏み出すごとに激痛が走り、息をするだけで痛みが走る。
時間が経つごとに、痛みはひどくなり、意識が飛びそうだ。
リングに上がると、木村がにこやかに歩みよってきた。
「先輩とやれるなんて、楽しみだなあ。伊藤の時みたいな手は、俺には通用しないですよ。
ハッケイ鍛えなおしてきましたから、期待しててくださいね」
「ははは。俺、限界。もう倒れそう」
周りの景色がぐるぐる回り、俺は倒れ意識を失った。




