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おやじ彼女  作者: ponta
天下無双
564/570

激闘

「Ouuuuhhh!!!」


俺が右へ避けると、低い体勢から右のロングフックを放ってきた。

スウェーバックで避けるが、風切り音がすごい。

背筋がぞっとする。


続けて、左のフックをバックステップでかわすと、右のハイキックが襲ってきた。

こいつ圧力で、押し切るつもりか。


右のハイキックをダッキングでかわし、伸び上がりながら左の掌底を顎にあて、

右の膝蹴りをボディに当てる。


反撃してきたボルガノフの右のショートボディをガードすると、50cmほど飛ばされ、

バランスを崩して倒れこんでしまった。


グランドを警戒して、すばやく起きると、ボルガノフは両手をあげて構えて、体を揺すっていた。

どうやら、打撃勝負といきたいらしい。


俺は両手を額の高さにあげ、手の平をボルガノフに向け、ゆらゆらと揺らす。

左足の踵を上げて、猫足立になる。


手を揺らすたびに、落ち着いていく。真っ赤に紅潮したボルガノフの顔から、

次にやろうとする手が読み取れてくる。


俺は左の前蹴りをボルガノフの腹に当てた。

ボルガノフは微動だにしない。

見事な腹筋だ。鳩尾に当てたというのに、壁を蹴っているような感触だ。


遠い間合いから、踏み込んで左ロー、右ローを入れ、すぐに下がる。

俺が次の動きをしようとしたとき、ボルガノフが右を振り被って、踏み込んでくる。


後に飛びのくと、ボルガノフは元の構えに戻した。


ボルガノフがじりじりと間合いを詰めてくる。

俺は左ミドルを当てる。

ボルガノフは、動かない。


こいつ、俺の打撃では腹筋を貫けないとわかってる。

頭部だけ、防御するつもりか。


「その誘い乗ってやる!」


俺は二段跳び膝蹴りを出す。

左の膝を右手でガードさせ、空いた隙間に右ひざを叩き込む。


ボルガノフは、俺の右ひざを額で受け、左のフックを打ち込んできた。

右わきに左フックが突き刺さり、俺は反転して、頭からリングに落下する。


立ち上がろうとすると、ボルガノフがサッカーボールキックを放ってきた。

両手をあげて、ガードするが、後方に蹴り飛ばされ、起き上がろうとしたところに、

ボルガノフが俺の顔面に向かって、踏みつけてきた。


左に避け、体を転がして、中腰になる。

ボルガノフが低空のアッパーを放ってきて、それを立ち上がりながら避けると、

右のロシアンフックが襲ってきた。


左手をとっさにあげ、ガードするがリングの上に転がされる。

一瞬意識が飛ぶ。ガードの上からってのになんて威力だ。


俺が首を振って立ち上がると、ボルガノフが右を振り被って迫っていた。


ダッキングで避け、右の真正の突きをカウンターで入れる。

ボルガノフの膝が一瞬折れ、俺は左掌底、右の猿臂を顔面に入れ、間合いを取る。


観客からどよめきと拍手が起こる。


俺は打たれた脇の状態を確認する。少し痛むが空中で反転したおかげで、衝撃が逃げたらしい。

これなら、まだ動ける。


ボルガノフがにやっと笑う。俺も微笑み返す。

いいねえいいねえ。ぞくぞくするよ。


崩すには跳び膝が有効か。さっきは額で受けられたが、

裏を返せば、ガードはできないってことだ。


手技で崩して、膝で決めてやる。


遠い間合いから、左右の速さだけの半端な蹴りをボルガノフのガードしている手に当てる。

ボルガノフは、動かない。


数度、蹴っては離れるを繰り返し、俺は踏み込んだ後に縮地で、間合いを詰めた。

驚いた顔のボルガノフに、左の真正の突きを顔面に当て、右の逆突きをさらに打ち込む。


ボルガノフの表情が変わり、後によろめく。

俺は、力を溜め、跳び膝蹴りをだした。


左の膝をこめかみにあて、右の膝を鼻面に当てる。さらにボルガノフの頭をつかみ、

止めとばかりに左の膝を顎下に入れる。


ボルガノフがもんどりうって倒れる。


俺はすぐさま、距離を開け、腰を沈めて力を溜める。

コーナー付近で立ち上がったボルガノフに向かって、矢のような速度で跳ぶ。


勝った。このタイミングで撃砕はかわせない。

今日から俺が70億分の1だ。俺が最強だ!


ボルガノフの目の前に着地し、右の拳を捻りこみながら、打ち込む。

ボルガノフが、左手をあげる。


俺は構わず拳を打ち込んだ。

ボルガノフの左のひじ関節が外れ、そのまま脇腹へと拳をめり込ませる。

波が通るのを感じる。


よしっ。完璧だ。後はこいつが倒れるのを待つだけ。


左上の視界に何かが入る。

反射的に顔を上げると、ボルガノフの拳が迫っていた。


馬鹿な?! 左手を破壊して肋骨も折ったというのに、なぜ動ける?


避け

いや、間にあわん

ガード

とにかく手をあげっ

いかんまともにくらう


顔の左で何かが爆発した。


次の瞬間、俺はリングにはいつくばっていて、意識はもうろうとしている。

左手を押さえたボルガノフが、顔から出血しながら、ゆっくりと俺の方へ近付いてくる。


やられた。お前の勝ちだ。

まさか撃砕に耐える奴がいるとは。

世間は広いな……。

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