表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

第一話

近頃、若者というのは実に浮き足だっていると思う。

買い物に行っても、公園へ行っても、大学へ行っても、どこへいってもカップルがつきまとい、

女子は人前で堂々と自分の恋愛履歴や恋愛観を語り、男子は固まって猥談をする始末。

実にはしたなく、浅はかであります!

あぁ、誓って言いますが、私は決してひがんでいるわけではないのです。

そう、決して。


大学に入ってそろそろ落ち着いてきたかなという頃。

あちらこちらで歓迎会を催され、そしてあちらこちらでカップルが成立しはじめる。

私ははからずもそんな軽佻浮薄な勢いには乗らないけども、お年頃としてはそこそこ気にはなり。

友人の言う、「あんたもすぐできるって!」はあてにはならないのだと身をもって実感する日々であります。

私の通う大学はそこそこ名の知れた中堅私立で、私の自宅からは2駅ほど離れたところにあります。

春から一人暮らしをするのだと意気込んでいたのは良いものの、いざ始めると生活の大変さを思い知らされました。

そんな私に母君はあえて厳しい一言をおっしゃられたので、なくなく一人暮らしを継続中なのであります。

私はいつも決まった時間の電車に乗ります。大体通い慣れてきた頃には、同じ電車に乗る人を覚え始めてきました。

ハンチング帽を被ったステッキの似合うご老人や、良い香りを見に纏う自立したキャリアウーマン、同じ年頃のようであろう男子学生、いつも本を読んでいる私立学校の小学男児などなどです。

きっと他にもいらっしゃるのでしょうが、今のところ私の覚えた限りではこんなところです。

あまり期待をしないようにと、浮足立とうとする自身を宥め、私は春の風に背中を押されるように今日も大学へと通います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ