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プロローグ

プロローグ


「続編が作られるにあたって、どうしても邪魔になる設定なんだ……。リサ、頼む……」

 長身の男――風間 猛――は少女に土下座していた。

 長めのボブカット。そして意思の強そうな目をした可愛らしい少女だった。しかし、今、少女は実に不機嫌そうな表情で風間 猛の目の前で仁王立ちを決め込んでいた。

「続編とか何の話よ? 意味わかんないし」

「いや、リサ。お前の意見ももっともだよ。でもな……あの『決闘』は無かった事にしてくれるとありがたいんだ……。だって、主人公とヒロインがくっついた状態でスタートとかアレだろ……」

「はぁ? 何でアタシがそんな都合に付き合わないといけないの? それとも、もしかしてアタシとつき合うの嫌になったの?」

「断じてそうじゃない!」彼は土下座中と言う実に情けない格好ではあるが、瞳が潤んできた少女――車田リサ――に断言した。

「……じゃあ、なんでよ……?」

「俺はリサが好きだ。愛していると叫びたいぐらいだ……。だが……、殴ってもいい。いや、このまま俺を踏みつけてくれたっていいんだ。だから……」

「私からもお願いする!」

 美しい声がした。艶やかなロングヘアに抜群のスタイル。そして、実に整った顔の少女。何故か守上院鏡花が見事な伸身ムーンサルトで入室し、これまた実に美しい姿勢でそのまま土下座した。

「ちょっと、会長だって乗り気だったじゃない!」

 リサは憤慨した。自分は四年も待ったのだ。四年と言えば自分の人生の四分の一の時間である。人生の25%である。それを今更、白紙に戻せなんて話に頷けるはずもなかった。

「それにさ、確かあれだよね。『決闘』に勝った人間の言い分が正しいんじゃなかったっけ?」

「「うっ……」」

 言葉に詰る二人をしり目にリサはしたり顔をした。


掟第一条、学校及ビ個人間ノトラブル又ハ不満ハ『決闘』ヲ以テ決着トスルベシ。『決闘』ノ方法ニツイテハ原則トシテ、応ジタ者ガコレヲ決定スル事トスル。尚、決着ガ着イタ検案ニツイテハ、全テニオイテ勝利者ノ言ヲ正義トスル。


 私立修羅之学園、鉄の掟である。


登場人物

風間猛カザマタケル……本編主人公。才能もあり努力家なのだが、それを上回る才能に叩き潰される損な役回り。

車田理沙クルマダリサ……タケルの恋人で同級生。当作で最強の一角なのだが、あと一回しか戦わない。

守上院鏡花カミジョウインキョウカ……『完璧美人』のあだ名を持つ生徒会長。真性のカマッテちゃん。

山城香澄ヤマシロカスミ……ぬいだら凄い眼鏡美女。鏡花の事が好き。

南真琴ミナミマコト…某サクラのパチモン。

花山胡桃ハヤヤマクルミ…空気なおさげチャン。

横山甲斐ヨコヤマカイ…タケルのクラスメイトのチャラ男。実は……。

熊谷良太郎クマガイリョウタロウ…私立『修羅之学園』校長。筋骨隆々のハゲ。

古谷一鉄フルヤイッテツ…『一ノC』担任。大柄なヒゲ。前作の描写にある授業風景は作者が実際に体験した事を元に書かれている。


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