新たなる脅威、黒き鱗の王
──にんじんの洞窟での大勝利から数日後。
カピパランドは祝福ムードに包まれていた。
「プリンセスばんざーい!」
「にんじん!にんじん!」
「ほのかちゃん、ありがとぉぉ!」
ほのかは、モフモフのカピバラたちに囲まれ、葉っぱの花冠を載せられていた。
「えへへ……ありがとう。」
頬を赤らめて笑うほのか。
その笑顔を見て、チビカピはにんじん槍を高々と掲げた。
「プリンセスは我らの癒しの女神ですぞ!」
「女神!? いやいやいや!」
「女神!女神!」
「モフモフの女神!!」
大合唱が巻き起こり、ほのかは恥ずかしくて地面に顔を埋めた。
そんな平和な日々の裏で──
カピパランドのはるか南、湿地帯の奥深く。
黒く濁った沼の中心に、巨大な石の祭壇があった。
そこに座す影──ワニ帝国の真の王、その名は……
「グリオラス」。
巨大な黒鱗のワニ。
鋭い牙がむき出しで、目は血のような赤。
肩には無数の傷跡が走り、背中のヒレは棘のように尖っている。
その体からは、癒しとは正反対の**「カサカサの呪いの気配」**が漂っていた。
「グラウドめ……使えぬやつだ。だが、カピパランドのプリンセスの力……。
あれは本物の“モフモフの契約”か……。」
グリオラスは舌を鳴らし、爪で地面を叩いた。
「癒しの光など、所詮は一時の甘さ。
この世界を支配するのは……カサカサの力だ。」
背後に控える小さなワニたち──「カサカサ忍軍」が、スッと姿を現した。
「忍び込め。プリンセスの力の源、あのにんじん杖を奪ってこい。」
「はっ!」
カサカサ忍軍が、黒い影となって沼を飛び出していった──。
その頃、カピパランドでは──
「今日のお風呂も最高だね!」
ほのかは温泉でぷかぷかと浮かびながら、チビカピたちと笑い合っていた。
「プリンセス、湯あがりのにんじんドリンクですぞ!」
「ありがとう!」
コップに入ったにんじんジュースを飲むと、ほのかの頬がほんのりピンク色に染まった。
「私、この国が大好きだなぁ。」
ほのかはにんじん杖を見つめ、決意を胸に秘める。
「もっと強くならなくちゃ。」
しかし、その夜──
カピパランドの森の奥で、怪しく光る目が輝いた。
「カサカサ忍軍、侵入完了。」
忍者ワニたちが静かに、プリンセスのにんじん杖を狙っていた──。




