伝説の巨大にんじん、目覚める!
にんじん精霊たちが道を開き、洞窟の最深部へと進むほのかとにんじん騎士団。
奥は、まるで別世界のようだった。
青白く輝く苔が壁一面に広がり、空気は甘い草の香りで満たされている。
そして、中央には──
ドドン!!
圧倒的な存在感でそびえる、巨大なにんじん!
長さは10メートル以上、根元から葉っぱまで、黄金色に光り輝いていた。
葉っぱの間から、ほのかの名前を呼ぶように、柔らかな声が響いた。
「ほのか……ほのか……モフモフの心を……。」
「えっ!? にんじんが喋ってる!?!?」
ほのかは思わず飛び上がり、にんじん騎士団のカピたちもぽてぽてと震えていた。
「で、でたーーー! にんじん様のお告げだぁーー!」
「プリンセスよ……。」
巨大にんじんの表面がふわっと光り、
モフモフのオーラが波のようにほのかに押し寄せた。
「お前は、この国の癒しの心を継ぐ者。だが、その力を解放するには……モフモフの契約を結ばねばならぬ。」
「モフモフの契約……?」
ほのかが小さくつぶやくと、
突然、洞窟の入り口から、ドゴォォォォン!!!と地響きが鳴り響いた!
「カピパランドの秘密、いただくぞォォォ!!!」
グラウド将軍、再び!!
ワニ帝国の飛行船が洞窟の天井を突き破り、ずんずんと降下してきた!
「くそっ! また来たのか!!」
チビカピがにんじん槍を振り上げたが、グラウド将軍は余裕の笑みを浮かべていた。
「もうお前たちの癒しパワーには負けん! ワニ帝国の最新兵器、カサカサビーム砲でこの洞窟ごと吹っ飛ばしてやる!」
「カサカサビーム砲!?!」
ほのかはびっくりして、にんじん杖を握りしめた。
その瞬間、巨大にんじんが再び光り、ほのかの胸に直接、声が響く。
「ほのかよ……モフモフの契約を結びなさい。
心を開き、癒しの力を信じるのだ……。」
「癒しの力を……信じる……?」
ほのかは、これまでのカピパランドの思い出を思い出した。
カピバラたちの笑顔、温泉の心地よさ、にんじん騎士団の頑張り。
そして、王様カピの、のんびりした「大丈夫なのだ」という声──。
「私、できる……!」
ほのかは目を閉じ、にんじん杖を胸に当てて、深く呼吸した。
ふわっ……と、体の奥から温かい光があふれ、
周囲にふわふわのモフモフオーラが広がった!
「これが……私の……癒しの力……!」
「な、なんだこの光はぁぁぁ!?!?」
グラウド将軍が目を見開き、カサカサビーム砲が暴走し始める。
「今だぁぁぁ!!!」
ほのかはにんじん杖を振り上げ、
「モフモフ・ヒーリング・ブレイク!」
と叫びながら、光のにんじんビームを発射!
ズドドドドドドド!!!!!
ビームは洞窟全体を包み込み、グラウド将軍とワニ軍団をふわふわに包み込んだ。
「うわあああああ……ふわふわぁぁ……」
「きもちいい……」
「おなかがあったかい……」
ワニたちは一斉に眠りに落ち、
カサカサビーム砲もぼんやりしたハート型の煙を残して消滅した。
洞窟が静まり返り、ほのかはそっとにんじん杖を見つめた。
「これが……私の力なんだ。」
にんじん騎士団たちが大歓声をあげ、
「プリンセスばんざーい!!!」
「にんじん!にんじん!にんじん!」
と歌い始めた。
そして、巨大にんじんの光が一層強く輝き、ほのかの前にモフモフの光の花が咲いた。
「プリンセスよ、契約は果たされた。
お前はこの国の”癒しの守護者”として目覚めたのだ……。」
ほのかは涙をこらえながら、小さくつぶやいた。
「うん……私、この国を守りたい。」
──その頃、洞窟の外では、誰も知らないもうひとつの影が、じっと様子をうかがっていた……。
ワニ帝国の真の首領、その名は──???




