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自称天才プログラマ異世界に行く〜魔術をデジタルで捉える〜  作者: 白色朝顔
鳥籠の中の眠り姫編
82/84

同じ境遇

「どうなってんだこれ。」

巨柱に侵入して最初に口を開いたのはフリューゼル

だった。

「階段もなんもねぇじゃねぇか。」

入った先には階段や梯子のような上にあがるようなものが一切なかった。加えて天井も低く天に登るような巨大さを活かしたものとは言えない設計をしていた。

「「"ストーンキャノン"」」

シデアが不審に思って天井に向かって魔術を打つが、

天井が崩れて新しい部屋が出てくる様子もなく、

むしろ反響の加減からこの上にはおそらく空間がないということが伺える。

(どういうことだ?

これじゃまるでこの柱はただの飾り....)

シデアがそう思ったところで三人の足下がそれぞれ

円状に穴が開く。

(((!?!?!?)))

突然のことに三人全員が反応に遅れ抵抗する暇もなく落とされる。

(クソッ!!罠だったのか!!)

シデアは落下を止めようと杖を構えるが、学園で

白髪の男と対峙した時同様魔術がかき消され穴の中を

されるがままに滑り落ちていった。

曲がりくねっており直線上ではないため、終わりが

見えなかったが。

しばらく滑り落ちていくうちに光が見える。

光の方へ辿り着くとそこは学園の闘技場ぐらいの広さの明るく真っ白な部屋だった。

そして部屋の真ん中には禍々しい十字架のような物体に磔にされているランとその隣に立つ白髪の男がいた。

「ラン!!!」

シデアはランを見つけるや否や白髪の男に飛びかかるように走り込んで杖を向ける。

「「"ストーンキャノン"」」

白髪の男を倒そうと魔術を放つが、打ち出された岩は

途中で崩れ去った。

「落ち着け俺は君と話がしたいんだ。」

白髪の男がシデアをなだめる。

「うるせぇ、学校ぶっ壊して生徒を攫うようなクズと 話すことはねぇよ。」

そう言いつつもシデアは魔術を打ち消されることを

理解しているため後ろに下がって距離を取る。

「その理由についても話すつもりだ。」

「だが、まずはガベル・イグハレスという

 男について...。」

「おい....。」

白髪の男の言葉を遮ってシデアが口を開く。

「お前アイツの仲間か....?」

(....空気が変わったな..。)

さっきまで以上のシデアの怒気を前に白髪の男が

ひりつきを感じる。

「いや、俺はアイツの仲間なんかじゃない。」

「むしろ俺は君と同じ被害者だ。」

男が右手で左眼に触れ、コンタクトのようなものを

取り出す。

「そして俺は唯一君を理解できる仲間だ。」

シデアにそう言い放った白髪の男の左眼は宝石の

ように光り輝く翠碧色の瞳だった。


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