悲しみのハーフエルフ
あの衝撃の裸のお付き合いから数日経った。
フューはというと相変わらず虚ろな目をしており、
いつ死んでしまっても不思議じゃないほど弱々しい。
「ねぇ、フューって何歳なの?」
「うん...」
まさに心ここに在らずといった感じだ。
「どうすればいいと思う?父さん」
俺はうなだれるようにデアルを頼った。
「どうするって言われてもな。」
「結局そうなっちまった原因をどうにかしないと
どうにもならないんじゃねぇか?」
原因か...。両親のことか。それともレイゲルのこと。
あるいはそのどちらも。
「はぁー。」
手詰まりだ。その、どちらの問題も現状の俺では
解決できそうもない。
「まあ、時間が解決してくれることもある。それに
お前まだ七歳だろそこまで気負うことじゃねぇ よ。」
ほんとに七歳ならな。
困ったことに七歳プラス十八歳の立派な大人だ。
子供の苦悩を見過ごすわけにはいかないだろう。
「...。」
「まあ本来大人の俺の仕事だ、子供のお前が
そこまで重く考えてんじゃねーよ。」
相変わらずデアルは優しい奴だ。
「あ、そういや花火大会があるな。」
デアルは思い出したようにそう言うと俺を指差した。
「お前フューと花火大会行ってこい。」
えぇ。
前言撤回。こいつは適当な奴だ。