【砂糖菓子みたいなラヴ・ストーリー企画】バレンタインデーの5日くらいまえの貴臣とあたし
しいな ここみ様主催『砂糖菓子みたいなラヴ・ストーリー企画』参加作品です。はちみつ入りカヌレのママレードソース掛けw
昼食時間、クラスの友達に「行けー! 突撃ー!」と囃されながら貴臣があたしのところにやってきた。心拍数があがるのが自分でも分かる。
「悪いな。千由梨、トランプの罰ゲームでよ」
そう言って貴臣はあたしの顔から眼鏡を外した。思わず心で叫ぶ。
ち、ちょっと、何すんのよー!
「ちょっと借りるだけだから、なっ?」
なっ? じゃないわよ! それが無かったらあたし困るんだってば!
笑いながら貴臣はあたしの眼鏡を自分で掛けた。
「あれ? 千由梨この眼鏡、度が入ってねーじゃん」
そうよ、それが無いと見えすぎて困るのよ!
「意味わかんねー、眼鏡いらねーじゃん」
絶対いるわよ! じゃないと貴臣の顔、まともに見ちゃうじゃない!
「千由梨も眼鏡無いほうが絶対かわいいぞ」
そんなこと自分でも分かってるわよ! だからずっと隠してたのに!
「何でだよ? 隠さなくていいじゃん」
そのほうが告白の成功率が上がるからよ! せ性交? 気が早いわよバカ!
「勘違いしてんのは千由梨だろ? で、告白ってなんだよ?」
今度のバレンタインに……た、貴臣が悪いのよ! いつもあたしをドキドキさせるから!
「なんのことだよ、千由梨」
またそうやって! 貴臣がいつもあたしのこと「ちゅ♡り」って呼んでわざと唇をキスの形に……って、何であたしの心の声に返事してんのよ!
「さっきから全部口に出てるぞ? ってか気づいてたんだな、ちゅ♡り」
「えっ? ウソ? きゃー! やめてよそんなはずかしいじゃないやっぱりいまのなしなしちょっと待」
「バレンタインまで待てるかよ、馬鹿。(チュッ)」
うきゅ! んがくくっ