歌合戦
憲司は智華と歌合戦に出ることにした。
応募したんだよ。
智華は「歌に自信ない」というから、
「普段、カラオケででかい声出してるじゃないか?」
と憲司は説得した。
「緊張するわ」と言ってるものの何となくノッテきた。
憲司「他に誰か出場させようか?」
智「妹に出演してもらおうかな?」
「歌上手いじゃん」
「話せばすぐに引き受けてくれるよ。」
憲司「そうだ、うちの妹もコーラス部だったから薦めれるね。」
智「よし、じゃあ、この4人で出場しよう」
4人は応募した。
憲司「じゃあ、智華の歌は?」
「タンゴノワール」
「18番だね。他は?」
「私、明菜の歌が得意なの。」
憲司「じゃあ、俺は何しようかな?永ちゃんだな。やっぱり。A Day」
智「妹さんが絶賛してたやつ」
丁度そこに、妹夫婦と智子の妹が来た。
憲司の妹は佳子。
「私、流行り歌の方が得意よ。あいみょんとか」
なんでかうまい具合に、メンバーが集まった。
スマホのおかげだな。
智「こっちが妹夫婦の照美。よろしくね」
「どうぞよろしく」
佳子「お歌上手なんですね?
なんか。クラシックの名相でもお願いしたいところね」
「ハハハハハ」
照美「でも、緊張するわ、大丈夫かな、姉さん」
智「大丈夫よ、いつも通り歌ってりゃいいのよ。
4人で応募した。
曲は憲司が「永ちゃんのADay」
智実が「タンゴノワール」
佳子「裸の心」
照美は「私のお父さん」
この4曲に決定した。
会場は市民会館。
「練習するか?」
「うん」
4人はまずカラオケに行った。
一番やりやすい。
一人一人、歌って他のメンバーが批評して練習するのは
効率的だ。
それぞれが、曲を歌うが、
思うようにはいかない。
「それは叫びすぎだ」
とか言っても
「どこが?」「何が」
って意見が対立したりする。
「どこか習いに行くか?」
「うん、一度習いに行った方がいいよ」
4人は近くの楽器店で歌の先生に習った。
最初は思うようにいかなかったが、
段々、先生の指導に付いていった。
みんなよく声が出ている。
さあ、当日だ!
憲司からだ。
曲は永ちゃんの「A DAY」だ。
これは映画「オレンジロード急行」にも出てくるので、彼としてもおなじみだ。
彼は緊張せずすらっとうたった。
鐘は3回鳴った。合格ーー!!!
司会者「おめでとうございます。どうでしたか?」
憲司「はい、緊張せずに歌えました。有難うございます」
次は智華、曲は「タンゴノワール」。
司会「緊張してますか?」
智「はい、すごく緊張しています」
彼女は普段に比べたらすごくよく歌えたが、
少し緊張しているようだ。
それでも鐘2回。
「合格です。」
「ありがとうございます。」
「緊張されましたか?」
「はい、少し緊張しました」
「どこで練習されましたか?」
「近所の楽器店です」
努力賞をもらった。
満足な出来だと言えよう。
妹たちもそれぞれがいい成績だった。
全部終わって、努力賞・特別賞」に智華が受賞した。
司会「感想は如何ですか?」
智「いやあ、嬉しいです。努力しただけの事はあります。有難うございました。」
妹たちもいい成績だ。
しかし、憲司は予想に反して評価が悪かった。
彼は途端に機嫌が悪くなって、怒りだした。
「何だ審査身、おまえらそんな審査しかできんのか?」
彼は席を立って会場を後にした。
審査委員長「歌って、上手けりゃいいってもんじゃないですよ。
ご了承ください」
憲司「やだ」