余裕そうか?
「敵兵たちに後悔させてやろうぜ。暇人を相手にしたら面倒事になるってよ」
「ははは! そうだな。まあ、私は暇人ではないが!」
俺とユウリさんは肩を並べて、ケラケラと笑う。
一通り笑い終わった後、ふうと息を吐いた。
「やるか」
「ああ」
そう言った刹那、俺たちは地面を蹴り飛ばす。
敵兵は恐らく五十人。
こちらをあまり敵視していない。
もしくは第一拠点に到達するまで、可能な限り兵力を落としておきたいといったところだろうか。
どちらもあるだろうが、どちらにしても都合がいいのには変わりない。
全員もれなく、意識はさよならだ。
「はぁ!」
ユウリさんの剣が相手の剣とぶつかる。
しかし、相手は複数人いるわけだ。
すぐにユウリさんの背後を取ろうと兵士たちが動いてくる。
「任せてくれ!」
俺はそいつらに対して、剣を振るう。
重力魔法なんて使わない。
あんな魔法を使ってしまったら、面白くないだろう。
もっと、必殺技的な感じで使いたいところだ。
こんな場所で使うものじゃない。
俺は剣に炎属性を付与する。
極限まで魔力を込め、剣本体の温度を高めていく。
百度。
二百度。
三百度。
どんどん温度が上がっていく。
「なっ!?」
そして、兵士の剣をへし折った。
兵士は愕然とするが、俺はその隙を逃さない。
「ほらよっと」
みねうちをし、相手を気絶させる。
ふぅ。
「ユウリさん。余裕そうか?」
「当たり前だ!」




