どういうこった
「おはようっ!!」
「おはようございますっ!!」
「うがっ!?」
ぐっすり眠っていた俺だったが、目覚めは最悪と言えた。
リリーたちの声が響いたかと思うと、腹に激痛が走ったのだ。
痛みに悶ながら目を開けると、俺の腹に見事乗っかった二人の姿が見える。
「何やってんだお前ら……」
どうにか乗っかってる二人を退け、腹を押さえながら起き上がる。
リリーたちはくすりと微笑を浮かべて、腰に手を当てた。
「気合い入るかな-って思ってさ!」
「気合い注入の乗っかりです!」
「なんだそれ……お前らは親に起こされる時毎回乗っかられてたのか?」
「そんなわけないじゃない!」
「そんなのされたらブチギレますよ!」
こいつら、一度しばいた方がいいだろうか。
拳が震える。
いや、駄目だ。
女の子をしばいてしまったら悪役は俺。
どんなに凶悪なことをしていたとしても、世間は……クソ!
「まあいいや……おはよう。二人とも」
「ええ!」
「はい!」
頭をかきながら俺は扉を開ける。
洗面所はどこかな。
顔洗ってスッキリしたいんだけど。
「洗面所はこっちですよー」
「あ、元受付嬢さん」
「どうも、元受付嬢さんです。こっちに着いてくださいねー」
ふと、ボサボサの髪に気がついて慌てて整えようとする。
しかし、俺の寝癖は都合よく治ってくれたりはしない。
少し恥ずかしく思っていると、元受付嬢さんはくすりと笑う。
「大丈夫ですよ。私は年収5億の男性がタイプですので気にしておりません~」
「それ、フォローになってませんからね……」
「残念ね!」
「私達がいますよ!」
「それもフォローになってないからな……」
複雑な気持ちを抱きながら、案内されるがまま歩く。
洗面所まで来た俺は、顔を洗う。
用意されている鏡で寝癖を整え……っと。
「ふう、さっぱりした。お前らも使うよな?」
「もちろん!」
「リリーは長いですからね。ササッとしちゃってくださいね」
「分かってるわよ!」
二人がワイワイ騒いでいる中、俺は息を吐いて壁にもたれかかる。
これからの行動はユウリさん次第になるだろう。
俺は彼女に従うつもりでいるし、文句は特にない。
この領地が救われるように、精一杯努力したい。
「ケネスさんには感謝しています」
「ん? ああ、俺は別に」
元受付嬢さんに突如言われた物で、少し戸惑ってしまう。
「皆さんも感謝しています。年収5億ではないですが、魅力的だと思っていますよ?」
「そ、そうですか。えっと。頑張ります」
あまりこういうのには慣れていなくて、たどたどしくなってしまう。
彼女は微笑を浮かべて、こほんと咳払いした。
「頑張りましょうね」
「もちろんです。全力でやりますよ」
改めて、決意を言葉にするとなんだか気持ちが変わってくる。
頑張らないとな。
「よし。リリー、カレン。終わったら早速ユウリさんに――」
と、言おうとした瞬間のことだ。
一人の男が走ってきたかと思うと、ちらりと俺のことを見る。
「大変だ! 街でアルト伯爵が寄越した連中に襲われているやつがいる!」
「マジですか! 分かりました、すぐに――」
俺は急ぎ足で進もうとしていると、男が待ったと言う。
「それが……訳ありらしい。捕まっているやつ、街の人間じゃないっぽいんだ。それにケネスさんの名前を何度も呼んでいる」
「え……どういうこった」
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