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【書籍化・コミカライズ】追放されたおっさん、暇つぶしに神々を超える〜神の加護を仲間の少女達に譲っていたら最強パーティが爆誕した件〜  作者: 夜分長文
四章 破滅の道を進む者と暇人

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旅立ち(一部クリアリー視点)

【★☆★四章完結!!★☆★】


 行き場所も決まった俺たちは早速旅への準備をしていた。


 少し離れた場所と言っても、やはり距離がある。


 食料やその他諸々、買っておいた方がいいだろう。



「食料か。それなら街の市場がいいと思う。あそこは我ながら品揃えが良くてね、案内するよ」



「マジですか。ありがとうございます」



 リレイ男爵に訪ねたところ、すぐ市場へと案内してくれた。


 そこには数多くの食料品が揃えられていて、見ているだけで楽しめる。



「おお! すごいわね!」



「食べ物がたくさんです! どれにしますか!?」



「日持ちするのがいいな。もし腹を壊したら下手すれば死ぬからな」



 旅の中で体調を崩すのは禁忌だ。


 これをやってしまうと普通に死人が出る。


 生物は避けて、果物だったり干し肉を買い漁る。


 確かにリレイ男爵が言っていた通り、どれも上質なものだ。


 これなら道中も安全に進むことができるだろう。



「よし、準備できたな。それじゃあ御者のところへ行って出発するとするか」



 一通り買い物ができたので、待っている御者の下へと向かう。


 相変わらず御者はパンを食べている様子だった。


 彼も彼で俺と同じ精神を感じる。


 これがシンパシーと言うやつか。


 いや、俺と一緒にされるのは嫌だろうな。



「御者さん。アルト伯爵領に向かいたいんですけどお願いできますか」



「おお! もちろんじゃ! それに聞いたぞ、Sランクの飛竜を倒したんじゃってな! さすがは英雄さんだ!」



「あはは……リリーやカレンのおかげですよ。また誰かの役に立ててよかったです」



「謙遜をしおって! まあよい。それじゃあ乗り込め!」



 御者に言われるがまま、俺たちは馬車に乗り込む。


 本当に御者には感謝しなければならない。


 いつも待っていてくれるし、どこへでも連れて行ってくれる。


 普通はこんなサービスなんてありえないからな。


 コンコンと、小窓が音を鳴らす。


 リレイ男爵がグッドサインを作ってにこりと笑っていた。



「これからの旅路を応援しているよ! またいつか会おう!」



「お世話になりました! またいつか!」



「ありがとう!」



「ありがとうございました!!」



 馬車が動き出し、リレイ男爵の姿が遠くなっていく。


 ふう。これでリレイ男爵領ともお別れか。


 またいつか、この場所にも来たいな。



「楽しかったですねー」



「美味しいご飯も食べれたし、最高だったわ!」



「ああ。いい場所だった」



 俺はふうと息を吐きながら、背もたれに体重を預けた。




 ◆




『クリアリー、お疲れ様です』



『黙れエルドラ。貴様に何か言われる筋合いなどない』



『怖いですね。神様同士仲良くしようじゃありませんか』



『不可能だ。貴様の性格が気に食わない。適当な癖に偉そうで尚且つ――』



『クリアリー、少しは黙らんか。始まりを邪魔するな』



 一人の男がクリアリーに対し、叱責する。



『マスター……しかし、私は気に入りません! なぜあのような男が選ばれたのですか!』



『彼がそれ相応の器を持っているからだ。それ以外に理由はない』



『しかし……』



 クリアリーは納得がいっていなかった。


 あのような男がマスターに認められるなんて、理解ができない。



『少しは落ち着いたらどうですか。私たちが派遣したSランクのドラゴンも彼らは倒していたでしょう。あれ、普通の人間では倒せないですよ。それがある種の証明ではないですか』



『貴様は黙れ。私は貴様にだけは言われたくない』



 クリアリーの反応に、エルドラはやれやれと首を振る。



『全く、せっかく計画が進んでいるのに落ち着かない人がいると面倒ですね』



『なんだと貴様。愚弄したな、表にでろ』



『どこに出るというのです。ここは天界ですよ』



『……気に入らない。クソが』



 クリアリーは嘆息しながら椅子に腰を下ろす。


 真っ白な世界にぽつんと用意された椅子は相変わらず不気味である。



『クリアリーよ。予定通り加護を与えたのか』



 マスターが尋ねる。



『渡しました。すでに人間以上の実力を手にしたかと』



『そうか。後は無理やりにでもケネスに加護を与えるだけだな』



 次の迷宮、そこが我らにとってのターニングポイントだと語る。



『マスター。聞きたいのですが、その計画とやらで一体何がしたいんですか』



 クリアリーには純粋な疑問があった。


 マスターが行おうとしている計画。


 それを詳しく聞いているわけではなかったのだ。


 ただ指示通り、試練を達成できたのなら加護を与えるということをしたまでである。



『人類を再構築(リビルド)する。選ばれた人間だけが生きる世界の生成だ』



 それが、



『【神々の子計画】。それがマスターの望みだと?』



『その通りだ』



 聞いて、クリアリーは椅子に体重を預ける。


 確か、前々からそんな話をしていたか。


 もう何千年も前の話だったから忘れていた。



『思い出しましたか? クリアリー』



『私を馬鹿にするような言い方はやめろ』



『馬鹿にはしておりませんよ。少しからかっているだけです』



『それを馬鹿にしていると言うんだ。クソ、天界に帰ってきたってのに居心地が悪い』



 お互い睨み合いをしていると、マスターが拳を握った。


 瞬間、クリアリーの体が重くなる。



『あら。可哀想に』



 束縛である。


 自分はマスターに仕えている。そのため、自分の体の権限はマスターにある。



『もうすぐだ。楽しみだ。実に、楽しみだ』



 マスターはニヤリと笑い、机を叩く。


『彼らが次の迷宮を攻略した時、我が動くのはその時だ』

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