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【書籍化・コミカライズ】追放されたおっさん、暇つぶしに神々を超える〜神の加護を仲間の少女達に譲っていたら最強パーティが爆誕した件〜  作者: 夜分長文
四章 破滅の道を進む者と暇人

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無様(エド視点)

「クソ……クソ!!」



「エド、どうしよう……これ最悪じゃないの?」



「大丈夫だ……まだどうにかなる……!」



 エドたちは商業ギルドマスターに怒鳴られた後、すぐに酒場にやってきていた。


 机の上には多くの酒と食事が並べられており、決して二人が食べられる量ではなかった。



「それにこんなにお金を使って大丈夫なの? これからどうなるか分からないのに――」



「お前、まさかこれから僕たちがどうにかなるとでも思っているのか!?」



 アナの言葉に腹が立ったエドが、ジョッキを握りながら叫ぶ。


 顔は真っ赤に染まっていて、アルコールが回ってしまっている。


 思考はふらふらとしていておぼつかない。



「別にそういうわけじゃないわよ! でも……万が一があるかもしれないじゃない!」



「馬鹿を言うな! 僕たちがケネスを追放しただけで落ちぶれるはずがない!」



 肉を喰らいながら、エドはアナに叱責する。


 だが現実は非情だ。


 エドたちは間違いなく破滅の一途を辿っており、もう引き返せないギリギリの場所まで来ていた。


 苦しいのに食べ物を口の中に放り込む。


 ストレスの発散方法がこれしかなかったからだ。


 どうしようもない、当たりようがないストレスをぶつけ続ける。



「飲み過ぎよ……」



「うるさい!」



 アナが止めようとするが、エドは全く聞く耳を持たない。


 もうエドは正常な判断ができないでいた。



「おいおい、あそこにたかがBランクの魔物討伐に失敗したSランクの野郎がいるぜ」



「ああギルドでは話題になってたよな」



「あの大手商業ギルマスがブチギレてるらしいぞ。あいつらやばいんじゃね?」



「絶対やばいよな。下手すれば降格もありえるって噂だぜ」



 自分たちパーティが依頼を失敗した噂はもう広がっているらしい。


 噂というものはすごい速さで広まるものだ。


 『龍の刻印』の評判は現在、最悪といえる。



「お前らうるせえ! 俺たちに喧嘩売ってるのか!?」



 エドはしびれを切らしたのか、ぼそぼそと呟いている冒険者に叫ぶ。



「おいおい、落ちぶれたSランクが何か言ってるぜ! 俺たちでよければ相手するぞオラ!」



「やってやろうじゃねえか! 来いよ!」



「ちょっとエド!!」



 アナが止めようとするが、エドは止まろうとしない。


 挑発に乗り、ズカズカと歩いて行く。



「僕を舐めるなよ……お前らなんかすぐに――」



「オラよッッ!」



 相手冒険者の拳が腹に直撃する。


 エドは避けることもできずに、その場に膝をついた。



「ガハッ……!」



 酒が回っているのもあるが、エドは接近戦が決して得意ではない。


 正面からの殴り合いになれば、そこらの冒険者に負けるのは当然といえる。



「やっぱりこいつ雑魚だぜ! 無様にもほどがあるだろ!」



「蹴り入れるか! オラ!」



「うぐっ……!」



 エドは苦痛を訴えながらも、相手を睨みつける。



「お前ら……僕に喧嘩を売っておいてタダで済むと思うなよ!」



「はぁ? 今のお前に何ができるっつうんだよ! ケネスがいなくなったお前らなんか怖くねえ!」



「ケネスの名を言うな! あまり馬鹿にするなよ僕たちを!」



「ガハハハ! こいつは面白い! 哀れだから今回はこれくらいで勘弁してやろうぜ! じゃあな!」



「クソ……クソ……!」



 エドは何度も拳を床にぶつけながら唇を噛み締める。


 しかし、誰も彼に手を伸ばそうとするものはいなかった。


 今までが酷すぎたのだ。


 今の彼らには、もう味方はいない。

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