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【書籍化・コミカライズ】追放されたおっさん、暇つぶしに神々を超える〜神の加護を仲間の少女達に譲っていたら最強パーティが爆誕した件〜  作者: 夜分長文
二章 追放後の二人、そして新たな迷宮へ

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敗走(エド視点)

 ハイタイガーの討伐。


 ランクにしてB相当の魔物である。



「こんなのでお金が貰えるんだから、Sランクは堪らないな!」



「本当にね! 簡単にSランクにも上がれたし、世の中最高!」



 二人は依頼書に指定された場所に向かって歩いていた。


 場所は王都近郊の森。依頼主は大手商業ギルド。


 Sランクということもあって依頼主は大手なことが多い。


 更に比較的簡単な依頼でも報酬金ががっぽり貰える。


 そのため、二人は心の底から嬉々としていた。



「依頼理由は物資移動の妨げになっているから。これ達成すると、ワンチャンいいアイテム貰えるかもな!」



「それを売ってさらに資金にしましょうよ! 豪華なディナーが食べたいなぁ」



「いいないいな!」



 しかし、少しばかり楽観しすぎていた。


 ギルドから個人に対してランクが付けられるのは異例のこと。


 ケネスはSランクを個人的に与えられ、対して二人は与えられていなかった。


 天狗になってしまっていたのだ。


 自分たちが誰の存在によって身の丈に合わないパーティランクを与えられていたのか。


 それを理解していないのだ。


 深い森の中。


 木々の音や鳥の声が響くと同時に、何かが近くを動く。



「魔物の気配がするぞ! 狩りのお時間だな!」



 ガサガサと草木を駆け巡る音。


 二人は背中を合わせて、魔法の準備をした。



「任せて! 一緒に倒しちゃいましょ!」



 魔力を体に集中させる――がそれよりも速く魔物が動いた。



 ――ギシャァァァァァ!!



「なっ!?」


 ハイタイガーが茂みの中から姿を現し、エドの方へと飛び込んでくる。


 咄嗟に避けようとするが、間に合わずに腕に攻撃が当たった。


 地面に転がり、動揺を隠せずに肩で息をする。



「何やってるのよ!」



 アナも同様に咄嗟に避ける。


 しかし直接攻撃は当たっておらず、バックステップして魔法を放つ準備をしていた。



「相手が速すぎるんだ! クソ、いつもなら魔法を放つ余裕があったのに……!」



 お互い、未だに魔法を放てずにいた。


 魔法を放つには魔力を集中させることが必須である。


 それは練度が高い人間ほど素早く行うことができる。


 対して、二人はまだ未熟なのだ。



「相手は三体よ! 間に合うの!?」



「僕たちなら余裕だ!」



 どうにかエドは起き上がって再度魔法を放つ準備をする。


 先程まで魔力を集中させていたこともあり、今度は相手よりも速く攻撃する準備ができた。




「当たれ!!」




 エドは動き回るハイタイガーに向かって何度も魔法弾を放つ。


 しかしあまりにも相手の素早さが上すぎた。


 当たったのはたったの二発。


 それも怯んだ様子は一切見せていなかった。




「当たってよ!」




 アナも倣って攻撃する。


 しかし三体のハイタイガーは二人を翻弄するかのように動き回る。


 二人にとってはさながら音速のようにも思えた。


 それほどまでに、攻撃が当たらない。



「いつもなら余裕なのに……!」



 二人の口からは『いつもなら』という言葉が何度も漏れた。


 しかし、なぜ自分たちが『いつもなら』と言っているのかは理解していない。


 ただ、『いつもより不調』だと思っているのだ。


 二人は態勢を整えるために周囲の状況を確認する。


 ここは森の中。茂みが生い茂り、視界は悪い。


 相手は三体。それもかなりの速度を持っている。


 更に言えば、攻撃はほとんど通っていない。


「やばいかもしれない……」


「何言ってるのよ! これくらいで失敗したら大恥よ!」


「分かってるさ! そんなの僕だって分かっている!」


 大丈夫。


 自分たちはSランクパーティ。


 誰もが憧れ、羨み、手を伸ばしたがる最高ランク。


 これくらいで倒れるわけがない。



「考えろ……! 考えるんだ……!」



 思考をどうにか巡らせる。


 一秒一秒が何十分かのように思えた。


 だが――答えは出ない。


 なんせ今までこれでやってきたのだ。


 いつも通りなら上手く行っていたのだ。



「あがっ!!」



 再度ハイタイガーからの攻撃が飛んでくる。


 呆然としていたため、避けることができずにもろに喰らってしまった。


 大きな怪我をしているわけではないが、足の捻挫をしてしまったらしい。


 痛む足を押さえながら、舌打ちする。



「……僕のプライドが!」



「エド! もうここは駄目よ! 退きましょう!」



「何言ってるんだ! ここで退いたら依頼が!」



「これで万が一のことがあったら不味いでしょ! 依頼に関しては適当に言い訳でもしてさ!」



「……クソ!!」



 どうにか一瞬でもいいから動けるよう、足に軽い治癒魔法を施す。



 そして、Sランクパーティがたったの『Bランク』の魔物から敗走した。



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