6話 破壊のドラゴン
いつ、このドラゴンが起きるのかが不安な所に今いる。
眠っているのか?いや、たぶん起きている。
魔力感知を使用すれば分かる。この大きなドラゴンは起きていると思う。
何で、ここで眠っている?いや、たぶん起きていると思うけど。
確か、地図には「最強ドラゴンの封印」と書いていた気がする。
まぁ、ちょうどいい機会だから会って見るか。オレも一度は、外見でドラゴンを見てみたかったから。(自分もドラゴンだけど)
オレは、大きなドラゴンに近づく。起こさないように慎重に、慎重に。
!?
『貴様、何者だ?』と目を開ける。
この声、頭の中で響く。その前に、起こしてしまった。
「あ、はい。オレは……ナキです。一応この姿でもドラゴンです」
完全にチキっている。怖い。
『そんなに怖がらなくていい。ワタシはルルアだ。もう一つの名は破壊竜。最強ドラゴンと言われている』
怖がらなくていいんだ。てっきり殺されると思った。だって、封印されているから。
一つ気になるのがあるので聞く。
「あのルルアさん、どうして封印されているのですか?」
『封印されている理由か。一回、町を滅ぼしているからだ。何度か壊した事はあるが』
一回、町を壊して封印されているんだ。それは何度も壊しているからだと思う。
「どうして、町を?」
『気分転換に戦いたくて、強い奴が出るかなーっと!』
このドラゴン、大丈夫か?普通、気分転換で戦いたいか?それに壊すまで。
まぁ、ドラゴンだからそれもあり得るのか。
「で、強い奴は出たんですか?」
『勿論、出た。町を壊す途中から最強の剣士の副団長さんが。あいつは強かった。ワタシも見習いたい』
最強剣士の副団長か。確か本には、最強の剣士の団長と書かれていた。
何だろう、あの最強の剣士って?
「あの、最強の剣士って何ですか?」
『そんなものも知らないのか?いいぞ、教えよう』
当たり前、だってこの世界に初めて来たのだから。
『最強の剣士というのは、この世界の中で唯一の剣技が優れているのを指す。今は11人しかいないが、ワタシを倒したのは「ユウ」という者だ』『あいつはたぶんもうやめていると思う。もうここにいて何十年か、経つからだ。今は何かになっているはず』
ユウという人物か。今度、冒険者ギルド会場のあの看板娘に聞いて見るか。
あ、そうだ、ここからルルアさんを出せないか?流石に、見て見ぬ振りはできない。可哀想だと思ってしまう。
何故、そう思うのかが不思議で仕方ない。前世に、こいう感情は出てこなかったんだけどな……。
「ルルアさんは、ここにいたいのですか?」
「ワタシはここにいるのは、やだ。ずっと、何もしないで、寝るのが嫌だ」
なるほどと頷く。なら、出すか。
「もしかすると、オレが解けるかも。その封印」
「え?本当か?」
「うん」
どう、解くかという事だ。封印はどいうのだ?
調べてみるとどうやら簡単にはいかないみたいだ。でも、アイデアがある。
こいうのは、水を掛けたらなんとかなりそう。
一応、喉が乾くかもと思い水を用意している。
なので、掛ける。
あ、封印が壊れた。
『ナキさん、何をしたんだ?』
「えっと、水を掛けただけだよ」
『水、を?」
「うん」
※
「ありがとう。これで魔法も使える」とルルアさんはドラゴンから人間になる。
もしかして、ドラゴンが人間になるのって魔法でやっている?
ルルアの人間の姿は、オレンジの髪に黄色の目をしていた。あとオレよりも背が高い。
「何故、ワタシを封印から出した?」
理由か。なんか、助けたいからでいいか。
「なんとなく、助けたいと思って」
そんな事を言うとルルアさんが抱きつく。
「え?」
やばい、初めて女の子に抱きつかれたんだけど。まぁ、オレも女の子だからいいか。
※
「ルルアさんー」と言い掛けたが訂正された。
ルルアとかで呼んでと言われた。なので呼ぶ。ルルと。
「ルルは、どうするんだ?」
「えっと、ご一緒になってもいいですか?」と照れながら言う。
丁寧語で話しているのかは分かるが、何故、照れながら言うのは謎だ。
まあいいか。
「いいよ」というとルルは喜ぶ。
まぁ、そんなキャラもいていいか。
取り敢えず、破壊のドラゴンと仲良くなれたからいいか。
よかったら、ブックマークやいいねしてください。お願いします。