階段
階段を足早に駆け下りていく。
案内板と思しき板の古代語の数字が、徐々に小さくなっているのが解る。
『1』と書かれた案内板の前で、四人は一旦小休止を取ることにした。
「まだ、先はあるのかな?」
ミナトが階段の下を覗き込んでつぶやく。
「もう少し先があるわね。
あと三、四階分ぐらいかしら。」
エレナは少し息を切らせ気味に答える。
レオンハルトは、外の廊下の様子を見て、二人に言った。
「どうやら、俺たちは勘違いをしていたようだな。」
「どういうこと?」
ミナトが尋ねる。
「この遺跡を守っていた兵を襲った連中は、遺跡を捨てたんじゃない。
同時に遺跡そのものを押さえようとしたんだ。
功名心か、興味本意かは解らんが、ほぼ全員で遺跡を何とかしようとした。」
「その証拠は?」
「この廊下の向こうにある。」
息が整ったエレナの問いに、レオンハルトが短く答えた。
興味にかられ、こっそりとミナトが覗き見た廊下には、上の階にあったものと同じく、全身が銃弾で蜂の巣にされた死体が六体バラバラに倒れこんでいた。
重い表情で顔を戻した彼女を見て、エレナも何かを悟ったのだろう。
そのまま廊下を見ることなく吐き捨てるようにつぶやいた。
「全く……。
専門家の意見を聞かなければどうなるかって、解らなかったのかしら。」
「それは……どういう意味だ?」
エレナの言葉を聞きとがめたレオンハルトが不思議そうに尋ねた。
「え……?
いえ、これだけのことをしでかす連中でしょう?
遺跡の専門家が仲間にいてもおかしくないと思ったんだけど……。」
「成程な。それはあるかもしれん。」
何気なく答えるエレナに対して、レオンハルトはそっけない返事をし、前進を促した。
「先へ進むぞ。
コム。あと何階で管理室になる?」
「エレナ様の言う通りです。
あと三階ですね。」




