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学術師 レオンハルト ~人形(ひとがた)たちの宴~  作者: 十万里淳平
第四章-『回路(サーキット)』
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『回路(サーキット)』

回路(サーキット)』――正式名称は『積層次元エネルギー結晶体』。


 これを用いることで、強力なエネルギー――『魔力』を引き出す事ができ、魔法を学んでいない人間でも魔法の使用が可能となる。


 では、そもそも『魔法』とは何か。


 これは魔導学で次のように定義されている。


『位相空間エネルギーである『魔力』を、様々な位相変動を加えて異なるエネルギーへと転換する技術である』と。


 要は『何でもあり』のエネルギーを、目的の形であるエネルギーに変換する技術という事になる。


 その変換先はそれこそ何でもいい。電気でも熱でも重力でも、位置エネルギー、運動エネルギーでもいい。


 そして『魔力』は通常の次元を超えた超次元空間の把握によって、別空間の位相エネルギーを汲み出して発生させる。


 この位相エネルギーは次元が一つ下がるたびに強力なエネルギーへと変換されていくため、その取り出す次元が高次元であればあるほど、より強力な魔力を得られるのだ。


 この超空間把握を導き出すのが、人が持つという『念』だ。これを鍛え、磨き上げていくことで、より深い次元を把握し、強大な魔力を得ていく形になる。


 魔力を汲み出す念の回路は、『魔導球(サーキットスフィア)』と呼ばれる。


 通常蒼く輝く球体の形を取り、その表面には無数の幾何学模様が連続的に輝いている。


 その輝きこそ、魔力の流れであり、念の回路を通じてエネルギーを変換し、目的の現象を発現させる。


 それが『魔法』なのだ。


『回路』は、それら魔力の汲み出しや、魔法の顕現を助ける結晶体だ。

 高次元エネルギーを結晶化させたそれは、内部に微細な幾何学模様を有している。


 それは即ち魔導球の表面に浮かぶ念の回路そのものであり、いわば魔導球を結晶化させた物こそ『回路』なのだとも言えるだろう。


 この『回路』、見た目は濃い色の宝石に見えるが、光に透かせばその紋様がはっきりと浮かび上がるため、容易に見分けがつく。

 では、それと見破られたとき、宝石より一段劣る扱いを受けるのか?


 答えはノーだ。


 宝石と同等、いや、取引相手によっては宝石以上の価値を持つものとして取り扱われる事もある。


 何せちょっとした魔力さえ引き出せれば、誰でも魔法使いになれるのだから、その能力を考えれば当然ともいえるだろう。


 だからこそ、この『回路』の取り扱いは厳重な注意が必要なのだ。


 基本的に『回路』は遺跡の中から発掘される。


 だが、その由来も使用目的もはっきり解っていない。


 ただ解っているのは、エネルギー抽出システムとして非常に優秀な物であるという事。

 そして、記憶装置としても優秀な物として使用されていたという事。


 現在のところはそこまでしか研究が進んでいないが、まだ隠された秘密が存在するのではないかというのが、研究者の一般的な認識である。


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