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学術師 レオンハルト ~人形(ひとがた)たちの宴~  作者: 十万里淳平
第十七章-強襲
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限界

「うおおおおおおっ!!」


 憤怒の雄叫びと共にヒュウガが『教授』に挑みかかる。

 だが、次々と繰り出される連撃は、大げさな、それでいて正確な動きで躱されていく。


「どうしたね、狼君。」


 背後から『教授』の一体がヒュウガに拳を突き立てた。


「この間の力は出さんのかね?」


 左横から別の教授が殴りかかった。


「それとも出し惜しみかな?」


 右斜め後ろから回し蹴りが飛んでくる。


 四方八方から叩き込まれる攻撃に翻弄されつつ、ヒュウガは少しずつ呼吸を整えていった。


 気功術だ。


(使える時間は三分。その間に全てケリをつけなきゃならねぇ。

 一分でこの木偶どもをぶっ壊し、一分であの外道を叩く!)


 目算を整えるヒュウガ。


 全ての『教授』が一斉にヒュウガに攻撃を仕掛ける。


 その瞬間、ヒュウガの姿は忽然と、全ての人間の視界から消え去っていた。


「破ッ!」


 六体の頭上から、気の衝撃波が叩きつけられた。

 狙いは最も先走っていた一体の頭部。


 頭部の中身をグシャグシャに破壊され、一体は崩れ落ちる。

 それを皮切りに、先ほどとは打って変わっての反撃が始まった。


 連携の速さは、『神速』でも捕らえられるか解らぬほどの速度となり、あらゆる攻撃が『強力(ごうりき)』もかくやと言う重さへと変貌する。


 ヒュウガは正確に、そして確実に関節部を狙い、一撃一撃を叩きこんでいった。


「くっ……ここまでとは……。」


 シュヴァルベの表情からは、もはや余裕が消え去っていた。


 気づくたびに、一体、また一体と『教授』は斃されていく。


 だが、残り一体となったところで、異変が起こった。


 ヒュウガの動きが、急激に鈍ってきたのだ。


(バカな!? まだイケるはずだ!!)


 ヒュウガの内に焦りが生じる。


 そこへ『教授』の拳が襲ってきた。


 避け切れず、心臓の真上に拳が突き刺さる。


 この一撃で、ヒュウガの意識は失われた。


 ただ、シュヴァルベの安堵のため息を最後に聞いて。


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