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学術師 レオンハルト ~人形(ひとがた)たちの宴~  作者: 十万里淳平
第十五章-暗雲
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コムの自信

「成程。つまりは……あー……貴君が魔導士殿の相方ということなのだな?」


「コムと言います。よろしくお願いします。」


「コムって言うんだ。こちらこそよろしく。」


 コムがベルセンの城へ到着した直後、彼はその謁見の間において、公爵とその子息、エドガー・ザウアーラントに拝謁していた。


 なお、この場には安全のため、公爵とエドガー、そして老執事とフリードリッヒ伯爵のみがその場に居合わせている。


 公爵はコムに向けていくつかの質問を投げかけてきた。


「時に貴君の身体でどのように攻撃を防ぐかを聞かせて欲しい。

 斯様に小さき身では盾にもなるまい。」


「あいにくと、僕は自分の身体よりずっと大きな障壁を作り出すことができます。

 必要ならばあらゆる攻撃を試してみてください。

 城攻めの岩でも防いで見せますよ?」


「では、次に聞きたい。

 貴君は自身の意思で動くことができるのか?

 今ここにいるのは魔導士殿の操作によって動いている、というようなことはなかろうな?」


「僕は自律稼働の機械で、レオンハルト様とは別の存在です。

 確かに機械的に作られた意思ではありますが、別の思惑で動いているとお考えください。

 また、命令は理解しますが、危険と判断した場合は反対意見も具申します。

 採り入れるか否かはお任せしますが、機械の浅知恵と侮るのはやめて頂きたく存じます。」


「ふふ……ははははっ! 気に入ったぞ!

 この儂に物怖じすることなく意見を具申するなど、人間でもなかなかおらん。

 改めて君に愚息を預けたい。

 何卒頼む。守ってやってくれ。」


 公爵はそう言うと、息子に目配せをする。

 気付いたエドガーは、コムに向けて改めて挨拶をした。


「改めてよろしく頼むよ、コム。

 悔しいけど、僕は生き残らなきゃならない。

 父さんと討ち死にする覚悟はあるけど、その覚悟をもって再起の礎にしろと言われてしまってはね……。」


「大丈夫です。僕が必ず守ります。

 秘策中の秘策もありますから、期待してください。」


 コムの言葉を聞き、満足そうに頷くエドガー。

 そこに伯爵が軽く右手を上げて、発言を求めてきた。


「なにか? 伯爵。」


「いえ、私事ではございますが少々。

 コムと言ったね。レオンハルトは健勝かな?」


「はい。つつがなく。」


「そうか。何かと物騒なことに巻き込まれていると聞いていたが、今のところは無事という事だな。」


「そうなります。

 でも、まず大丈夫だと思いますよ?」


「何故かね?」


「頼もしい仲間がついてますから。」


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