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学術師 レオンハルト ~人形(ひとがた)たちの宴~  作者: 十万里淳平
第十五章-暗雲
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捜索

 宿場町アーカナスには、物々しい雰囲気が漂っていた。


 妙に多い、軍人や官僚らしき人物。

 彼らが忙しなく町中を動き回り、中央にある執政所へと駆け込んでいる。


 レオンハルトが宿を探す一方で、その様子を訝しげにミナトが観察している。


「お探しの人がいるのかな?」


「ま、粗方そんな所だろうよ。」


 そう言う二人の視線は、レオンハルトへと向けられる。


「どうした? 俺のことを言っているのか?」


 不可解そうな顔をしつつ、二人の顔を返す返すで見つめるレオンハルト。


 そこに後ろから三人の人影が近づいてきた。

 エレナがそれに気づいて、影の主を見る。


「レオン、どうやら見つかっちゃったみたいよ?」


 その言葉を聞いた三人は、エレナの視線の先に目を向ける。


 そこには二人の軍人風の男性たちと、一人の官僚風の女性が様子を窺っていた。


「レオンハルト・フォーゲル先生ですわね?」


 やや年配気味の女性はレオンハルトに右手を差し出しつつ、自己紹介を始めた。


(わたくし)、ザウアーラント公爵閣下の筆頭秘書官を務めております、カミラ・メルケルという者です。

 ここに控えておりますのは、ザウアーラント民兵隊の人間です。」


 そう紹介を受けた二人の男性は、丁寧に敬礼をした。


「クルト・レーデ上級大尉であります。」


 やや小柄で線の細そうな青年が、まず挨拶する。


「オリバー・トット少佐であります。いきなりのお呼び止め、ご容赦頂きたい。」


 続いて大柄の男がそう挨拶した。


「用件は?」


 レオンハルトが握手をしつつも、やや不機嫌な声で秘書へと返答する。


「道すがら話しましょう。

 まずはとにかく執政所へ。」


 秘書がそう言うと、二頭立ての馬車が二台やってきた。


 それを見たミナトが心配そうに尋ねる。


「これ、あたし乗っちゃっていいの?

 この斧、相当重いんだけど……。」


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