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第3話 この世界の事を知ろう

家で探検をします。

風呂からあがり、夕食までの時間を屋敷の探検に費やすことにした。

サフィアに聞けば、この屋敷は両親と兄(寮に下宿中)と自分、ゴロリとサフィアのか6人暮らしのようだ。


すごくでかいわけではないが、古い公民館くらいはある屋敷の整備は主にゴロリとサフィアの二人が担っている。


両親はそれぞれの仕事場へ、とはいっても、父親は街長として自宅が仕事場かと思うのであるが、今日は外に出ているようだ。


母親も隣街に出張中で、4、5日帰ってきてないらしい。兄も都(いつか行ってみたいな)の魔導学院に全寮制で勉強しにいっているそうだ。


つまり、うちには現在、俺含めて三人のみである。すぐに、探検は終ってしまった。


発見したもの・・・、台所には食材がいっぱい、生で食べれそうなものは、冷蔵庫のような魔導具(冷蔵魔導具というらしい)に入っていた。いつかつまみ食いしてみよう。


部屋は12個ほどある、三階建ての屋敷である。皆の寝室は家族の分を含めても8個もあるので、十分である。あとの4つは父の書斎であったり、古本だらけの物置き、衣装部屋らしき服置き場、最後に道具がたくさん置いてある工作室のようである。


とりあえず、暇潰しは古本だらけの物置である。 本でも読んで情報を仕入れるとしよう。父の書斎は怒られるとまずいので、許可を得てからだ。


古本部屋に入ると、タカはそのカビ臭い臭いに前世(前の世界と言う意味だが、死んだっていうし間違ってないよな?)の大学の図書館を少し思い出した。


あー、あのときは日がな1日本を読んで、眠くなるまで酒を飲んで、起きたら部活に行って、友達とつるんで毎日が楽しかったなぁ。 まさに、モラトリアム。合ってるかな?まぁいいや。


ひとつ、気づいた。俺はこの世界の文字は読めるのか?

俺は少しどころか、間違いなく今の俺はお子さまだ。この世界の文字が読めなければ、勉強しなければならない。


まぁ、それはそれで再び学問の道へ、レッツゴー、なのだが・・・


そう思いながら、身近にあったらホコリを被った、ハードカバーの茶色い本の表紙を見ると、何の字かは分からんが読めてしまう。【ガリア及びその周辺地域の考察】


この世界の今いるところはガリアというところのどこからしい。


そして、中を開いてみると、挿し絵のような雑な地図と、この世界のなりたちが書かれた、ある種の詩のような文章が書かれていた。


~ この世に生まれいづるあまねく人々の祖は、我らの女神が『創造の力』をもって創りたもうた。

あらゆる種、あらゆる魔法を創造し、我らが祖に授け、生きていく術を与えたもうた。


~中略~


丁寧に解説文がついている。


~ 世界の人々の祖には大きく3種の違いがあり、人種族は最大勢力を誇る。子供が生まれやすく、集団での生活を得意とする。彼らは弱き身体能力をその知恵で補い、道具を開発し、その生存確率を増加させる術を持つ。


獣人族は、身体のどこかに獣の特徴を宿すものたちで、軒並み身体能力に優れる。その特徴は、さらに細かな族毎に違い、族毎にその信じる神や信条は異なるようだ。


最後は魔人族。魔人とはいっても、人族との違いはあまりなく、彼らは人族に比べ膨大な魔力を身体に有し、その魔力量により身体の色素に影響を及ぼすのである。特に影響が出やすいのは髪の毛である。精霊の影響をうけるのか、水系の魔法を得意とすものは青髪に、火系の魔法を得意とする場合は赤髪というように。


黒髪はすべてを飲み込み、あまねく魔法を手にし得る万能の能力をもつといわれるそうだ。


女神はさらに万能の才能もくれたのか、どうもありがとう。


と、心のなかで感謝するタカ。タカは真っ黒な髪の毛で、赤色とブールの瞳を両目でそれぞれ持っている。目にも何かしらの才があれないいな(中2的発言であるのは否定しない。)


外で、馬の鳴き声がする。馬車?みたいな乗り物で誰か来たみたいだ。


おっと、読書に夢中になってたら、こんなに時間が経っていたか、タカは懐中時計で時間を確認する。ちなみにこの世界の時刻も24時間を1日のサイクルとし、時計は裕福な家庭にはあるような代物であるが、当然少年が持っているようなものではないので、タカが勝手に創造の力で作ったものである。さっき、探検にでる前に作っていたのである。


部屋をでると、両親らしき男女が馬車から降りてきていた。二人とも前世の隆康より若そうで、知的な感じのする風貌である。しかし、二人とも今のタカとよく似ている。当然、家族なんだからであろう。


さて、二人を迎えてやるか。


「おかえりなさい。父上?母上?」


「あー、ただいま。タカ。今日はめずらしく、私たちより早く家にいるな。」

父親のマックレーンが言う。


「ただいま、タカちゃん。どうして父上、母上が疑問系なのかしら?」


母親のメリッサは不思議がっている。


「まぁまぁ、母上。早くサフィアの用意した夕食でも食べましょう。準備できてるはずですから。」


「あなた、ほんとに大丈夫?なにか悪いものでも拾い食いして頭に毒でも回ったんじゃないかしら?解毒の魔法をお医者様にかけてもらったほうがいいかしら。」


酷い言い種である。この生まれて数年、おそらく少年である俺のどこにおかしな要素が見つかるってんだ!?


あっ、ふだん、この少年がこんなことを言わないのか?やべっ、この少年の中身が31歳のおっさんだとばれてしまったらまずい・・・・・・、わけでもないか。まぁ、いいや、流そう。

ここでも耐久力(鈍感力)は発揮されたようだ。


「まぁまぁ、メリー。タカもやっとこの屋敷の後継者の自覚が出てきたんじゃないかな。うん。」


母上はメリーという愛称か。そして、なんか知らんが聞き流せないこといってるぞ、父上が。


「あれ、父上、この街の跡継ぎは兄上じゃなかったでしたか?」


「何を寝ぼけてるんだ、タカ。兄のラルクは、魔導学校の校長に見出だされて、魔導士となるべく家を出ただろう。魔導士となる才能をこんな街でとどめておくべきじゃないさ。つまり、お前が跡取りだ。」


この親父、自分のまちをこんな街って言いやがった。それよりもまずいぞ、兄上に街のことを任せて、日がな1日お茶を飲む生活(夢)が早くも破綻してしまう。 あー、どんな世界でも人は思う通りには生きられんもんだなぁ。何かの長編アニメで『人は土から離れたら生きられないの』とか言ってたヒロインがいたなぁ・・・、関係ないか・・・・・・、まぁ、いいや。


「まぁ、いいや。父上、母上。夕食を食べましょう。」


言葉にも出た、『まぁ、いいや』(耐久力)。とりあえず、問題の先送りと考えることを放棄するタカであった。






探検の結果、この世界の事とこの家の事が少しわかりました。


そして、何やら夢の綻びが早くも現れたようです。

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